その映画は、いつ作られたともなく、誰も知らぬ間に、映画会社のフィルム倉庫に保管されていたと言う。
物好きな男性社員が、古いフィルムを検査する際、ほんの興味本位で、その映画を観たのが、すべての始まりであった。
それは、何と言う事の無い、古典的なホラー映画だったのだが、その男性社員は、その映画を観終わるや、急に具合が悪くなり、珍しく早退したのである。
翌日。男は、その映画に、何か不吉なものを感ぢつつも、どうしても、もう一度観たくなり、仕事の合間に、またもその映画を観てしまった。
ところが、その日は、身体の具合も悪くならず、むしろ、昨日は気づかなかった、その映画の魅力を発見し、男は来る日も来る日も、その映画を観続けた。
しかし、そんな所業が、何日も続けられるはずも無い。ほどなく、その奇行は、男性社員の上司の知る所となる・・・。
上司は言った。
「お前、なんでそんな映画ばっかり観てるんだ。」
男性社員は、こう答えた。
「それが、私とイタシマシテも、何とも不思議としか言いようが無いのデス。しかし、どうしても、もう一度、またもう一度と、観たくなってしまうのでありマス・・・。」
何を言っとるか・・・と言わんばかりに、呆れ顔を露にした上司だったが、それでも、どこか好奇心をくすぐられたのか、それぢゃあワシも・・・とばかりに、部下に指示を出し、その映画を鑑賞する事と相成った。
・・・すると、映画が進行するにつれ、上司の顔つきが、みるみる変わって行くではないか・・・。
「こっ、これは・・・!!」
(つづく)
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ムスコ「それにさあ、教師を負かせば101点だって、チチギミはしつこく繰り返し言いんしゃるけっども、だからって、結局、百点満点のテストは百点満点であって、更にほめられ行為をプラスされる事が無きにしもあらずとしたトコロで、101点と赤ペンで書き添えられる事は、ネバー・ナッシングぢゃ無いの?」
チチ「あああああ、101点っちゅうなあ、ものの例えよ。ええか、ムスコよ。ワシがガキの頃はのう。授業中だろうが何だろうが、納得行かねえ事、疑問に思った事は、すぐに教師に問うて、答えられなくて困り果てる教師をいぢめてタノシンぢょったもんぢゃて・・・。」
ムスコ「ええ~!!そんな事したら、超ヒンシュクの超嫌われ者になっちゃうよ~。」
チチ「私は、それで学校を退めマシタ。」
ムスコ「でしょ?でしょ?でしょ~ん!?」
チチ「まあ、そん時はそん時よ、それによ~、あのエジソンだって、小学校をクビになって、自宅でママにお勉強を教わってたんだゼイ!!ベイベエ!!」
ムスコ「エジソンと、チチギミから生まれたぼっくんを一緒にしないでよってばサキカラーゲ!!ジュッパヒトから揚げ!!」
チチ「まあ、ええわい。おめえが百点なんぞで浮かれとるうちに、ワシはワシで、おめえに対し、苛酷な人生ゲームを用意した。」
ムスコ「何?何?それって、新しいゲーム・ソフト?もしも糞ゲーだったら、実のオヤジとは言え、勤続20周年記念の灰皿で、頭を殴打しちゃうよ。」
そこにママン登場。
ママン「あらあら、パパとバカボ・・・ぢゃなくて、チチギミとムスコったら、そんなに興奮して、何を語り明かそうとしているの?」
ムスコ「あ~ん!!ママン!!ぼっくん百点取ったのに、チチギミったら、全然誉めてくれないどころか、無理難題ばっか、ふっかけハイスクール・ロックンロールなんだペッチャ!!」
ママン「あら、それは面白そうでゴザイマス事。~オホホホホ・・・。」
そう言い残すと、ママンは台所へと去って言った。
居間に残されたチチとムスコの今後は?そして、チチギミいわく、苛酷な人生ゲームとは、一体如何なるシロモノなのであろうか・・・?
その続きは、また今度・・・。