Mr.エレクトの独り言 超洗脳小説            「勝手に世直し ヘ~カくん」
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Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

超洗脳小説「勝手に世直し ヘ~カくん」⑥「おかしな転校生」の巻

ヘ~カくんが、我が家にホーム・ステイし始めて、早1ヶ月。奴も、そろそろ地球の生活に慣れた様子だけど、まだまだ疑問がたくさんあるらしく、今日も俺は、質問攻めにあっていた。

ヘ~カくん「では、キチロー殿。何で、好き好んで、そんな満員電車に乗るでござるか?」

キチロー「何でって言われても、まあ、学校や会社の始まる時間が近い上に、電車の数もそうそう増やせないからな。乗客が、ある時間にのみ集中するのは仕方無えよ。」

ヘ~カくん「何で学校や会社は朝からなんでござるか?何で電車の数を増やせないのでござるか?」

あちゃ~・・・。ござるか攻撃が、また始まったよ・・・。

~中略~

ヘ~カくん「何で女性専用車両なんてものがあるのでござるか?黒人を差別するのが当然だった昔のアメリカの、白人しか乗れない車両みたいなものなのでござるか?」

キチロー「違うって!!(・・・何でそんな事知ってんのか、変な情報だけ詳しいんだよな。コイツ・・・)あれは、満員電車には痴漢が多いから、それを防ぐため、弱者である女性を守るためにこそあるんであって、差別だなんてとんでもないよ。」

ヘ~カくん「ふむふむ。そうでござったか。それでは、女性専用車両に乗らない女性は、痴漢されても良い人なのでござるね。」

キチロー「んなアホな!!」

ヘ~カくん「それに、同性の女性に触るのが目的の、女性の痴漢にとっては、女性専用車両は、まさに天国ではないデスか?・・・と言うより、キチロー殿。そもそも、電車への痴漢の乗車を禁止すれば良い事なのではござるまいか?」

キチロー「だってさ、ヘ~カくん。するなと言ってもするのが痴漢だからな~。痴漢は乗るなって言って乗らない様なら苦労はしねえよ。」

ヘ~カくん「そうだ!!それなら、いっその事、痴漢専用車両を作ったら如何でござるか?外から車内が見えない様に、窓も塞いで。そしたら、痴漢したい人と痴漢されたい人の利害が一致して、一種のパラダイス空間が生まれるでござるよ。何なら、グリーン車の様に特別料金を取っても良いでござるし・・・。」

うへ~。電車は風俗業ぢゃ無いっちゅうの・・・。まったく、コイツと来たら、流石、宇宙人だけあって、地球では常識外れな事ばっか思いつきやがる。でも、待てよ?コイツの発想、もしかしたら金になるかも?

俺は、ヘ~カくんの突拍子も無い、天然に湧き出るアイデアの数々に、未知なる金脈の発見を予感せずには居られなかった。

(つづく)
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超洗脳小説「勝手に世直し ヘ~カくん」⑤「不思議な転校生」の巻

地球にやって来て間もないのに、なんで箸の使い方を知っているのか?俺は、その疑問を、ヘ~カくんにストレートにぶつけてみた。すると・・・。

ヘ~カくん「箸の使い方は、パパ上に教わったでござる。ママ上からは、ナイフとフォークの使い方も教わってマス。天王星に居た時は、地球に比べて、料理の種類も少なかったデスが、食事のマナーに関しては、厳しく躾をされマシタでござる。」

キチロー「ええ!?お前の星には、箸だけぢゃなく、ナイフやフォークまであるのか?まるで地球そっくりぢゃねえか!?」

ヘ~カくん「ハイ!!厳密に言うなれば、ボクの両親は、元々地球に住んでいた人なのでござる。」

キチロー「はぁ~!?ドユコト?ソレ?」

俺は訳が解らなくなって、頭の中が混乱してしまった。ヘ~カくんの両親は地球人?地球人が天王星に住んでるなんて話、いっぺんも聞いた事ねえよ!!

しかし、ヘ~カくんは、「その先は絶対に言えない」「いつかお話しする日が来るのを待っていて欲しい」と、それ以上の質問には、頑として答えようとはしなかった。

まったく、意外と頑固な奴だぜ。一体、何をたくらんでやがるのか・・・?だが、俺は、この、謎多き宇宙人、ヘ~カくんに対する興味が膨らんでいく自分に対し、とまどいを感ぢつつも、これから起こり得るであろう刺激的な日々を思うと、興奮を隠しきれなかった。

フフフ・・・。俺も、小学生の分際で、地球には飽き飽きして退屈してた所だ。こりゃ、面白い事になりそうだぜ。

(つづく)

超洗脳小説「勝手に世直し ヘ~カくん」④「奇妙な転校生」の巻

その日の夕食時。

しばらく我が家にホーム・ステイする事になるヘ~カくんは、すっかり、俺のパパとママとも打ち解けていた。相変わらず、料理の名前に始まって、使われている食材だとか何とか、細かい質問が多いのには閉口させられたけど、実は、その時、俺は奇妙な点に気が付いたのだった。

そして、その夜。

子供部屋で、ヘ~カくんと一緒に寝るハメになった俺は、早速、その疑問をぶつけてみた。

キチロー「おい、ヘ~カ!!おめえ、宇宙人だの天王陛下だの言ってるけどよ~。なんで箸の使い方知ってんだ?あ~!?」

そう。地球に来て間もないはずなのに、奴は何故か、箸の持ち方は既に習得していたのだ。

・・・本来は、日本語・・・ちゅうか、地球語だって、何で喋れんのか良く解んねえけど、まあそれは地球に来れるぐらいの知的文明がある訳だから、科学技術の進歩やら何やらで、まあ何となく何とかなる様な気もするけど、箸ってのは、日本や中国とかのアジア圏に特有な、人類の文化的な発明品なんだから、そんな上手い具合に、「天王星でも箸を使ってた」なんて言わせねえぜ。

・・・とは言え、知的生命体の考える事だからな。偶然の一致てのも有り得なくも無いが・・・。

ところが、そんな俺の問いに、ヘ~カくんは、驚くべき返答を寄越したのであった・・・。

(つづく)

超洗脳小説「勝手に世直し ヘ~カくん」③「謎の転校生」の巻

やっと下校時間になったか・・・。

と言うのも、あいつときたら、授業中から休憩時間から、トイレに至るまで、俺のそばから離れず、下らねえ質問ばっかしやがるんだもの。ホントに何も知らねえのかな・・・。

ところが、学校を出ても、あいつは俺のそばから離れようとしない。

キチロー「おい、宇宙人!!もういい加減にしてくれよ。俺は家に帰るンだからさ。」

ヘ~カくん「え~!!ボク、キチロー殿の家に行ってみたいデス~。地球の小学生が、どんな家庭生活を送っているか、興味深々なのデス。」

キチロー「は~・・・。ぢゃあ良いけどさ、遅くなる前に帰れよ。」

そして俺は、ヘ~カくんを連れて、自宅に戻った。

キチローのママ「あら、キイチロウ(本名)。お帰りなさい。言い忘れてたけど、今日からホーム・ステイの子がうちに来るから、仲良くしてあげてね。」

キチロー「ええっ!?まさか!!」

俺は振り返って、ヘ~カくんを見つめた。

ヘ~カくん「ウフフフ・・・。」

そう。そのまさかであった。自分を宇宙人だと称する謎の転校生は、今日から我が家に居候する事になっていたのであった。

こいつは、先が思いやられるぜ。トホホ・・・。

(つづく)

超洗脳小説「勝手に世直し ヘ~カくん」②「うぜえ転校生」の巻

そして、宇宙から来たと公言する、謎の転校生は、俺の隣の席に座る事となった・・・。

ヘ~カくん「ウフフ。ボク、地球の事、良く解らないんで、色々教えてたもれ。」

キチロー「あのよ~。地球の事・・・て、お前、ふざけるのもいい加減にしろや。どこの世界に、宇宙から来たなんて戯言、マジで信ぢる奴が居るかって~の。ゲームのやり過ぎで、現実認識出来なくなってんぢゃねえよ。この妄想野郎がよ!!」

ヘ~カくん「・・・鈴殿。かような事を申されても・・・。」

キチロー「鈴殿?殿って、おめえ、何時代の人間だ、コノヤロ!!」

俺は、ヘーカくんの頭を、軽く小突いた。

ヘ~カくん「ぐすん・・・。知ってるでござる。これが地球で言う所の、イジメでござるね。地球では、転校生はイジメの対象だって、パパ上からも聞いていたでござるが・・・。」

キチロー「し~・・・!!馬鹿言うなって、この程度の事でイジメ呼ばわりされた日にゃあ、かなわね~ぜ。解った解った。地球の事で知りたい事があったら、何でも俺に聞いてくれや。」

ヘ~カくん「ホントでござるか!!やはり鈴殿はやさしいクラス・メートでござる!!」

キチロー「何だよ。調子の良い奴だな~。まあ、いっか。それよか、苗字を殿付けして呼ぶのはやめてくれよ。俺にはキチローって言う、あだ名があるんだから。」

ヘ~カくん「解ったでござる~。キチロー殿。」

キチロー「だから、殿はやめろって・・・。」

やれやれ、この調子で、このうぜえ転校生と仲良くやっていかなきゃいけね~って思うと、先が思いやられるぜ・・・。

とは言え、退屈過ぎる学校生活には、飽き飽きしてた所だからな。

「まっ、いっか。」

(つづく)
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