Mr.エレクトの独り言 2005年10月06日
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Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

ガイド・ブック症候群②「音楽観=人生観」(加筆訂正)

とは言え、自分にとっての音楽の善し悪しを計る基準と言うものも、決して、正確では無いと言う事を知る必要がある。

否、正確では無い・・・と言うと、語弊があるか。

要するに、なんの先入観も無く物事を判断すると言うのは、非常に難しいと言う事であり、また、音楽などの、そもそも善し悪しの基準が個人の趣味嗜好によって左右されるべきものに関しては、その結果に対する信憑性や切実度に関しても、あくまでも本人のこころの内にあるものであり、他人からは推し量れない場合も多い。

つまり、何が言いたいかと言えば、そもそも、この世に存在するすべての音楽を比べて、しかもアーティスト名も伏せ、まったく同ぢ環境でそれをリスニングした上での判断であれば、少しはそのジャッジにも信頼が置けるが、その様な事は、まず有り得ず、人は皆、まずは自己の知り得る知識の範囲、自己の人生に関わってきたものの中から優先的に選ばざるを得ないのである。

ゆえに、少しでも自分の好みにジャスト・フィットするものを探そうとする者は、現在自己の知りうる音楽以外にも、もっと(自分にとって)良いものは無いものかと、積極的に探すと言う行為をするのである。

私にせよ、極力、先入観抜きで自分のこころに正直に判断する様に努めているつもりではあるが、10代で出会った音楽、友人がやっているバンド、ジャケットが良くてたまたま買ったレコードetc・・・と、真に音楽の善し悪しのみで愛聴盤を決定しているかと言えば、必ずしもそうでは無い事も少なからずあり、また、音楽と言うのは、聴いているうちに好きになると言う場合もある。

よって、音楽とは、音楽のみの力では無く、“縁”すなわち、人生における出会いによって大きく左右されると言うのは、そこの所である。

否、それで良いのだ。もちろん、他人に何かを薦める時、あるいはプロの評論家ならば、自分の趣味嗜好は極力排して、客観的な判断基準に照らし合わせる必要があるが・・・。

だから、本質的な事以外の要素が入り込む余地があっても構わない。実際、いくら美味しい食事でも、高級レストランで喰うのと、公園の汚いトイレの中で召し上がるのでは、その味は異なって感ぢられるはずだ。

結局の所、音楽と言うのは、その音楽そのもの以外の要素も大きく加味された上で、総合的に判断を下されるものであり、ゆえに、いくら素晴らしい音楽でも、出会いのシチュエーションやタイミングで、好きになったり嫌いになったりと、実にあやふやなものであるのだ。

しかし、そのあやふやさこそが、個人個人の感性の違い、価値観の違いとして、好む音楽の違いとして表わされるのである。

それゆえ、好きな音楽を並べた時に、どこかの本で仕入れた情報だか知らないが、“良いとされているもの”“最先端とされているもの”“通好みとされているもの”“おしゃれとされているもの”ばかり並べられ、本人の人生や生き方が何も反映されていないラインナップを見せられた時、私は反吐が出る思いをするのである。

音楽の善し悪しなんて、誰かに教えてもらうものでは無い。ガイド・ブックはあくまでも入門編であり、本当に役立つガイド・ブックを作ろうと言うのであれば、選び抜かれた結果を提示するのでは無く、本当に自分に合った音楽を探す事の楽しみや、それら個々の目的を達成するための方法論の一例を提示すべきなのだ。

とは言え、ガイド・ブックに載っているCDを聴けば安心だし、個人の趣味嗜好、あげくの果てには、個人の生き方や価値観に対し、他人や世間様から馬鹿にされると言う事も無いので、そうしたい人はそうすれば良い。

そもそも、根本的に、音楽に求めているもの(生きる目的)が違うのだから、こんな事言う事自体がナンセンスなのだが・・・。

ゆえに、極論すれば、音楽観には、その人間の人生観が表わされているのだとも言える。
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