ボクは夕方に目を覚まし、部屋のドアを開けた。だって、今日は「週刊少年ジャンボ」の発売日だもんね。
「あれ?無い?」
なんだよ、あのクソババア!!今日がジャンボの発売日だって事、忘れてんぢゃねえか!?
ボクはいつしか、ママをクソババア呼ばわりする様になっていた。怠惰な生活はボクのこころを確実に蝕み、今や、感謝するべき事柄も日常の当たり前の風景と化し、ボクは傲慢さを増していく自分を薄々感ぢつつも、その部分には蓋をし、見てみぬ振りをしていた。ボクは、己が欲望を最優先させる事によってのみ、今にも崩れ落ちそうな不安定で虚ろな気持ちを、必死に抑え付けていたのだ。
後で皿の一枚でも割るか・・・。そんな事を考えつつ、ボクはとりあえず、再び眠りについた。
そして、その夜、ボクは階下の物音に目を覚まされた。
なんだよ~。まだ起きる時間ぢゃ無いよ~・・・。歴史は夜作られるが如く、この、のひ太様の千年王国は、午前二時に、その禁断の扉を開けるってのに~・・・。
ボクはこっそり階段を下りていき、耳を澄ませた。すると、またも大きな声が・・・。
パパ「そんなに言うならお前が出てけ!!」
ママ「何言ってるんデスか!!そもそもパパが・・・」
何て事だ!!どうやらパパとママがケンカをしている様子。今まで二人がケンカしている場面なんて見た事無いのに・・・。
どうしよう!!どうしよう!!
ボクは大いなる衝撃を受けずにはおれなかった。
ええっ~!!もしもママがうちを出て行ったら、誰が少年ジャンボを買って来てくれるのさ!?
・・・って言うか、今週号、まだ読んでないんだけど・・・。
(つづく)
★ああ、ついにパパとママの間にも亀裂が生ぢ、のひ太の引きこもり天国、怠惰な王国にも崩壊の危機が訪れるのか!?果たして、のひ太は、少年ジャンボの今週号を読む事が出来るのか!?(←って、そんな問題では無い!!)
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