とは言え、私もまだ18であったし、それらは理性ではコントロール出来ない、生き物が本来持ちうる素直な感情ゆえ、制御しようが無い事であったとも思う。
当時、私は高校を卒業し、今で言えばフリーターの状態であったが、発売されたパンク系の自主制作盤は、通販で購入するかテープ交換によって、ほとんど聴き、それらの虜になっていたため、一刻も早く東京に行って、実際にハードコア・パンクのライヴを観たり、自主レコードを自由に購入出来る環境を手に入れたくて仕方無かった。もちろん、親元を離れたかったと言う事も大きいが、本当に、当時の広島には、私の欲求を満足させてくれるものは、何ひとつとして無かったのである。
唯一、GASや自我を除いては・・・。
しかし、やはり、彼らは私より年下(1~2学年下)と言う事もあり、私もバンドをやりたいと思っていたのに出来ない状態であったため、GASの存在は、不毛な地方都市・広島に現れた救世主であり、その自主的な活動は、今も高く評価出来るにも関わらず、当時の私は、素直にそれを認め、こころから楽しむ事が出来なかったのであった。そして、それは、後悔と言うか、自責の念として、長年、私のこころの中で、くすぶり続けていたのである。
そう言った経緯を踏まえつつも、この日の再結成ライヴを、私は本当に楽しむ事が出来、そして、それをこころから祝う事が出来た。ゆえに、今回の一連のイベントは、私にとって非常に有意義なものであったし、こころにわだかまっていた思いを吹っ切るための、絶好の機会でもあったのだ。
例えるならば、伝え損ねた言葉を、20年越しに、やっと口に出す事が出来た・・・とでも言うのだろうか・・・。
(つづく)
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