ボクは、悶々としながらも、チャンスを待っていた。
・・・と、ある日、放課後の教室にシズコちゃんが一人と言う、またとないシチュエイションに出くわした。
チャンス到来!!
ボクは、シズコちゃんに近づき、おもむろに話しかけた。
のひ太「あの~、ちょっと話がしたいんだけど・・・。今度、電話してくれないかな?」
ボクは、これは我ながら名案だと思った。こんな所で長話なんかしてたら、誰かに見られてしまう危険性があるものな・・・。
シズコ「え・・・、あの・・・。でも私、電話得意ぢゃないから・・・。」
のひ太「ぢゃあ、こっちからかければ良いの?」
シズコ「あ・・・。そんな問題ぢゃなくて・・・。」
のひ太「それなら、ボクも携帯か何か買って、メールでもしろって事?」
シズコ「そうぢゃなくて、もっと普通に、教室で話しかけてくれれば・・・。」
そこまで言われれば、さすがのボクも、これは拒否られてるんだと言う事を察しざるを得なかった。
のひ太「そんな・・・。ボクには、そんな事出来ないよ・・・。」
だって、思春期なら誰にもあるだろう?異性と仲良くしてて冷やかされたり、誰が誰を好きだとかって言う噂を流されて困った思い出が。だからボクは、出来るだけ目立たず、誰にも知られずに事を遂行したかったんだ。
・・・そしてボクは、教室を後にした。
なんだよ!!あの野郎!!いかにもその気がある様な素振りしやがって!!やっぱり、ボクをからかってただけなんだ!!
・・・とは言え、今にして思えば、いきなり過ぎる唐突なボクの告白に対し、シズコちゃんは驚きのあまり引いていただけだったのかも知れない。きっと、あの日の、あまりにも思いつめたボクの様相は、妄執にとり憑かれた自己本位なストーカーか、積年の恨みを晴らそうと忍び寄る気のふれた暗殺者を思わせるものだったに違いない・・・。
でも、その時のボクには、そんなシズコちゃんの気持ちを汲み取る余裕など、これっぽっちもなかったんだ。
そして、帰途の最中、ボクは、シズコちゃんに対する怒りと憎しみの念を、ますます募らせていった。
くそ~!!何だってんだ!!あのアマ、人をコケにしやがって!!畜生~!!あんまりボクを馬鹿にすんなよ!!
それにしても・・・。
どうして!?・・・どうしてボクだけ、いつもこんな目に遭わなくちゃならないんだ!!
(つづく)
★次回、失意に狂ったのひ太が、復讐の鬼と化す!?シズコちゃんの運命や如何に!?
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