夏休み最終日。・・・そして、その夜。
パパはやけに張り切って夕食をこしらえた様で、やや興奮気味に、ボクを部屋から呼び出した。
フン!!ボクは、明日から学校が始まるって事だけで頭がいっぱいなんだ。そんな憂鬱なボクの気持ちを、パパは全然解ってない!!
ボクにとっては、今夜が最後の晩餐かも知れないってのに・・・。
パパはパパで、昔話に花を咲かせ、あの時はどうだこうだ・・・と、一人盛り上がって喋ってる。
だからボクは、ただうなずくか首をかしげるくらいの反応しかせず、終始無言で対応した。
パパとボクとのこころの断絶、そして一度離れてしまったその距離は、もうどうにも取り戻せやしないんだよ・・・。
ああ・・・。
今夜のディナーがそうであった様に、ボクは明日からの学校生活においても・・・否、これから先もずっと、誰とも口を利かず無言で過ごそう・・・。
そして、誰にもこころを開かずに生きよう。
ボクは何も望まない・・・。
ボクは誰も求めない・・・。
そうすればきっと、これ以上傷つく事も、悲嘆に暮れる事もないだろう・・・。
ボクのこころは、ボク自身で守らなきゃいけないんだ。
ウフフフ・・・。
ウフフフフフフ・・・。
人生って・・・。
生きていく事って・・・。
こんなに・・・。
こんなにも楽しいものだとは・・・。
ウフフフフ・・・。
お笑い種(ぐさ)だよ!!
(つづく)