作業着の様な制服に身を包んだ彼らは、年配の男性から若い女性まで・・・と4~5名おり、それぞれが5階にある当店のドアの外の階段部分をあれこれ見回している様であったが、40前後と思しき男性が私にあれこれ質問して来た。
話を聞くと、どうやら彼らは、(最上階であるのを良い事に当店が勝手に倉庫代わりに使用している)階段部分に置いてある荷物の山について、興味があり、調査をしているらしい。
当初は訳が解らず混乱していた私も次第に状況が飲み込め、「それで、あなた方はどこからいらっしゃたどちら様で?」と聞くと、彼らは「火星から来た」と答えた。
<注>火星人とは?・・・彼らが本当はどこの誰なのか、文章の内容から察してくれたまえ。火に関係のあるコケッコッコー務員とは、さて一体?
当店に来た事のある方ならお解りであろうが、当ビルの階段の幅は学校の校舎くらいあり、その壁際・・・三分の一くらいのスペースには、箱詰めされた(盗まれても良い程度の価値の)在庫の山が積み重なっている訳なのであるが・・・。
火星人代表曰く、数年前に起きた歌舞伎町だかどこだかでの雑居ビルでの火災の事例を持ち出し、これを全部撤去せよ・・・と。
それを聞いた私はこう思った。ああ・・・ついにこの日が来たか!!
・・・と言うのも、実は昨年の年末くらいだったであろうか、やはり火星人らしき男性が当店に訪れ、階段の壁際に積み上げてある在庫の山を見つけるや、まるで金銀財宝埋蔵金の在り処でも発見したが如く、かなり興奮気味に、何とかって法律に触れるからこれを片付けろと命令し、「また来るから」と帰って行った事があったのだ。
そしてその後、仕事が忙しい事ももちろんあるが、その男性が再び来ないのを良い事に、まったく片付けなどしていないどころか片付ける気すらなかった私なのであった。
しかも今回訪れた火星人は数名で本格的な調査に乗り出して来てる。
・・・となると、何ともかんともめんどくせ~話だが、こりゃあきらめて荷物を片付けるしかね~な・・・と、覚悟を決めた私なのではあった・・・が・・・。
(つづく)
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