そして、教壇に残された男子は、ボク一人。
フフッ・・・ウフフフフ・・・面白い!!・・・こんな面白い話があるかってんだよ・・・。
最下位どころか、クラスの女子の誰一人からも選ばれない残り物になるなんて。
くく・・・本音を言えば、悔しい!!悔しくて悔しくてたまんないよ!!
どうしてボクだけが、こんな惨めな思いを味合わさせられなきゃいけないんだ!!
どうして・・・どうしていつも、ボク一人だけが・・・。
それもこれもすべて、こんな馬鹿な事を考え付いたあいつのせいだ!!
今日赴任して来たばかりの新任女教師、ナチコの野郎の!!
・・・ところが、そんな拭い去れぬ恥辱にまみれ不貞腐れていたボクに、思いもかけぬ意外な展開が訪れたんだ!!
ナチコ先生「あらあら、男子一人残っちゃったって訳ね・・・。これは流石のナチコ先生も、責任を感ぢずにはおれないわね~!!それで、貴方の名前は・・・と」
畜生!!ボクの名前なんてどうだっていいよ!!早くボクを空いてる席に座らせろって!!・・・と、ボクはこころの中で念ぢつつも、早くこの場を立ち去りたい一心で、ナチコの質問に答え、自分の名前を口にした。
のひ太「○○のひ太・・・デス。」
ナチコ先生「のひ太クン・・・え~と、前任の先生からの引継ぎによると・・・ふむふむ、貴方には色々と問題があるようね。よし解った!!女子が一人足りない分、先生がのひ太クンを引き受けるわ!!今日は特別に先生が補習授業をしてあげるから、放課後教室に残ってなさい。それぢゃ、さっさと空いてる席に座って、さあ授業を始めるわよ!!」
何と!!これは一体何がどうなっているのか、ボクにはすぐには理解出来なかった・・・が、クラスの男子生徒からは、「え~!!ナチコ先生の個人授業を受けられるなら、俺が残り物になれば良かったよ~!!」なんて無責任な声が・・・。
ふざけるな!!フィンガー5の歌ぢゃあるまいし・・・誰からも選ばれず残されたボクの気持ちになってみやがれ!!
だけど・・・そう、ボクは当初の怒りもどこへやら、もしかしたらナチコ先生はそんなに悪気はなくて、ちょっとばかし不器用なだけで、本当はやさしい女性なのかも・・・と思い始めていた。
今にして思えば、それは甘い・・・実に甘っちょろ過ぎる考えだった・・・。
でもその時のボクは、そうとでも思わなければ、自分を保てない状態だったんだ!!
だからこそ、ナチコ先生の言われるままに、まんまと補習授業の約束を受け入れてしまったのさ。
本当は、もっと早く気が付くべきだった・・・。
赴任早々、あんな残酷なゲームをボク達にやらせる様な女だぜ?
しかも、彼女はもっと大きな秘密を抱えていたんだ。
知りたいかい!?
ウフフ・・・。
どうやらボクの人生は、とんだ疫病神に取り付かれているみたいだよ・・・。
今頃になって・・・。
おっと、この先はまだ言えない。
すべては放課後。
ボクの人生における最大の地獄の、その扉がいよいよ開かれるんだ・・・。
フフフ・・・。
面白い事になるぜ。
それにしても・・・。
どうしてこんな事になってしまったのかな。
どうして・・・。
ボクの人生・・・うんにゃ!!違う!!
ボクの地獄は・・・。
まだまだ終らないって事さ!!
(つづく)
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