Mr.エレクトの独り言 禁未来小説「ドラへもん」その57「瀕死の恋心」の巻
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Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

禁未来小説「ドラへもん」その57「瀕死の恋心」の巻

ある日の授業中。ついうっかり、ボクは居眠りしてしまった。

そして、授業が終り、ざわつき始めた教室の雰囲気で目が覚めた・・・と、その瞬間、背後に得体の知れない気配を感ぢ、慌ててボクは振り向いた。

そこには・・・。

何とも形容し難い、邪悪な笑みを浮かべた女子が一人。

「ヤバイ!!・・・もしや!!見られてしまったのか!?」

ボクのこころの内なる叫びを察知したかの様に、そいつは黙ったまま、しかし、そのどす黒い瞳で、こう答えた。

「見たわよ」・・・と。

何てこった!!よりによって、あのゴシップ好きでおしゃべりな、こいつに見られてしまうとは!!

「ああ、お願いだ・・・。黙っていてくれ・・・。この事だけは、誰にも・・・。そう、誰にも・・・。」

だけど、その切なる願い、虚しきボクの望みは、とうてい叶えらようはずもなかった・・・。

ノートに殴り書きされた、おびただしい数の名前・・・。

「シズコちゃん」

「シズコちゃん」

「シズコちゃん」

「シズコちゃん」

・・・。

こんなものを見られて、何と言い訳すれば・・・。否、言い訳なんて通用するもんんか。・・・と言うか、言い訳すればするほど、かえってドツボに嵌るだけだ・・・。

「絶対に言うな~!!誰にも!!」


下校時間。ボクはそいつに直談判するつもりだった。

・・・が、時既に遅し。

シズコちゃんに耳打ちする、そのおしゃべり女。そして、疑心暗鬼な顔つきで、おそるおそるボクの方に目を向けるシズコちゃん。

終った・・・。すべては。

(つづく)