翌日。ボクは、重い足取りで学校に向かった。
本当は、登校拒否でもしたい所だけれど、ボクは、もう二度と、あのヒキコモリ地獄には戻りたくないんだ。
くっそう!!・・・あの、おしゃべり女め。今頃、皆に噂を言いふらしてる頃だろうか・・・。
ボクは、クラス・メートの誰かに冷やかされるんぢゃないか、シズコちゃんにはいやな顔をされるんぢゃないかと、ビクビクしながら、教室のドアを開けた。
すると、そこには・・・。
そんなボクの予想とは裏腹に、いつもの通り、生徒達のしゃべり声でざわめく、普段と変らぬ風景が、そこにはあった。
ボクは、ホッと胸を撫で下ろすと共に、今度は、恐る恐る、シズコちゃんの方をチラッと見た。
シズコちゃんも、いつも通り、仲良しの女子と何やら話しこんでいる。
まるで、昨日の事が嘘の様だ・・・。ボクは、何か悪い夢でも見てたんだろうか?
だけど、それが夢ではなかった事を、ボクは思い知る。
そう。ふと振り返ると、あのおしゃべり女が、超忌々しそうに、ボクの顔を睨みつけているではないか。
「コレハ イッタイ・・・?」
そして昼休み。偶然、教室の入り口ですれ違った、シズコちゃんの態度で、ボクはすべてを察知した。
その瞬間、シズコちゃんは、何とも照れくさそうな微笑を浮かべ、ボクの瞳を覗き込んだんだ。
そうか!!シズコちゃんが、あのおしゃべり女に口止めしてくれたんだな。
・・・まあ、よくよく考えてみれば、シズコちゃんにしたって、そんな噂を立てられちゃあ、恥ずかしくて登校出来なくなるもんな~。
だけど、恋に狂ったボクは、そんなシズコちゃんの気持ちを、自分への思いやりだと勘違いし、果ては、シズコちゃんもボクの事を好きなのでは?・・・と言う、とんでもない妄想を抱くに至るのであった・・・。
(つづく)
★「のひ太の初恋地獄篇」、しばらく続きマス。地獄の果ては、まだまだ先なのでキュウ・・・。(作者)