Mr.エレクトの独り言 禁未来小説「ドラへもん」その60「暗闇からの脅迫」の巻

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

禁未来小説「ドラへもん」その60「暗闇からの脅迫」の巻

ああ、ボクはどうすれば良いんだろう・・・。

あれ以来、シズコちゃんは、どう考えてみても、ボクを意識した行動ばかりを取っている。

なのに、ボクときたら、照れと気恥ずかしさから、わざとシズコちゃんを避ける素振りばかりしちゃって・・・。

あ~ん!!このままぢゃあ、シズコちゃんに愛想尽かされちゃうよ~!!

どうしようどうしようどうしようどうしよう・・・。

もうすぐ夏休み。しばらく会えないうちに、シズコちゃんも心変わりしてしまうかも・・・。

やばいよまずいよこまるよいやだよそんなのかなしくてたえられないよ!!

ところで、そんなボクの焦燥をよそに、ボクが通ってる小学校にも、携帯電話からのみ見る事の出来る、学校非公認のネット掲示板が出来たそうだ。何でも、それらを総称して、“学校暗(くら)サイト”と言うらしい。ボクは携帯電話を持ってないから見れないんだけど、あのおしゃべり女め、余計な事書き込んでないだろうな~・・・。

・・・と、そんなある日、こんな事があった。体育の授業の後、トイレから出てきたボクが、洗面台に体操帽を忘れてしまい、それに気づいたクラス・メイトが、ボクを追いかけて来てくれたんだ。

そのクラス・メイトとは・・・。

そう。あの、トロオこと、“不具多吐露男(ふぐたとろお)”であった。奴は、おどおどしながら、ボクに帽子を差し出した。

「あっ・・・」

ボクは、「ありがとう」を、言おうとした。こいつ、イジメに遭ってるって噂だけど、意外と良い奴なのかも・・・。

なのに、ボクと来たら・・・。

偶然にも、その場面を、教室から出てきたシズコちゃんに見られてしまったため、慌てて、トロオから帽子を乱暴に奪い取ると、「ありがとう」の言葉を告げる事もなく、足早に、その場を立ち去ってしまったんだ。


・・・その時の気持ちを正直に言えば・・・。

ボクは、イジメに遭ってると言う噂のトロオと、仲が良いと勘違いされて、それを誰かに吹聴されるのが怖かったんだ!!

だって、あんな奴と一緒にされて、“学校暗(くら)サイト”に、ある事無い事書かれた日には・・・。

しかも、シズコちゃんに、それが知れたら、ボクの事を嫌いになっちゃうかも知れないぢゃん!!

自分自分自分自分自分自分自分自分・・・。

今のボクには、自分を守る事だけで精一杯なんだ!!

そのために、誰かが傷つこうが、誰かが悲しもうが、知ったこっちゃないよ!!


・・・ボクは、卑小で臆病な自分を肯定する事に、必死だった・・・。

(つづく)