Mr.エレクトの独り言 禁未来小説「ドラへもん」その61「悪夢の再来」の巻
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Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

禁未来小説「ドラへもん」その61「悪夢の再来」の巻

会話の無い食卓・・・。あったとしても、差し障りの無い言葉を交し合うだけの、おざなりな人間関係・・・。ただただ、面目を保つためだけに共同生活する三人・・・。

食事を済ませ、風呂から出たボクは、今日はもう寝ようと、二階の自室へ続く階段を昇って行く。

一歩、二歩、三歩・・・。

その姿は、まるで死刑囚が、絞首刑を受けるために、13階段を昇っていくかの様だったろう。

独りの部屋。ボクはベッドにうつ伏せになった。・・・と、決まって頭に浮かぶのは、シズコちゃんの面影だけだ。

「シズコちゃん・・・。ああ、シズコちゃん~!!」

フフフ・・・。まさしく、夢中・・・とでも言うのだろうか。・・・そう。何かに夢中になる事って、悪くない・・・。それが真実の恋であろうと、気の迷いや錯覚であろうとも・・・。

たとえ一瞬とは言え、いやな事をすべて、忘れさせてくれるんだから・・・。

「ああ、シズコちゃん・・・。ボクを助けて・・・。ボクを救って・・・。ボクは・・・、ボクは・・・、ボクは・・・寂し・・・。」

ふと気がつくと、時間は夜の11時過ぎ。階下の物音で、ボクは目を覚ました。

「あれ?いつの間に寝ちゃったんだろう・・・。」

そして、トイレに行こうと階段を下りる、ボクの耳に聞こえてきたものは・・・。



パパ「そんな事言ったって、しょうがないだろう!!」

ママ「みんな、貴方のそんな性格のせいなんデスよ!!」


・・・どうしよう!!パパとママが、またケンカしてる!!ここんとこ、毎晩だよ~・・・。

どうしようどうしよう!!ママが、また出ていっちゃうよ~!!

パパのバカ!!

そうだ!!パパさえ居なくなれば、ママが出ていく必要もなくなるはず・・・。

その時、ボクの脳裏には、正体不明な黒い煙が充満し始めていたのだった・・・。

(つづく)