
収録内容(全147分)
①<After the Sludge/20071221@新宿URGA>
昨年末、全盛期のオリジナル・メンバー3名に加え、ギターにヤマジカズヒデ(現dip/他)、森本在臣、ゲストに本庄克己、中村ショータらを迎えて行われた、スラッヂ復活~アフター・ザ・スラッヂ(ATS)始動ライヴの模様を完全収録。
②<THE SLUDGE/19841013@新宿JAM>
収録時間こそ短いものの、抜き身の刃の様に殺気立ったメンバー(菅原、片岡、片山、日比谷)らによる、緊張感に満ちたパンキッシュな演奏を観る事が出来る。
③<THE SLUDGE/19850825@原宿クロコダイル>
数台のカメラを用いたプロ・ショット映像。「Psychedelic Blues Night」と題されたイベント名に相応しく、重苦しい空気が漂う中での演奏。ここでの菅原氏の歌声は呪術的でさえある。
④<THE SLUDGE/19860612@新宿LOFT>
佐藤ジン『GIG』発刊記念Party。通常のライヴとは異なるラフな雰囲気の中、菅原氏もギターをプレイしながらの演奏。この日の片岡氏とのツイン・ギターによって奏でられる官能的なアンサンブルは筆舌に尽くし難い程に素晴らしい。また、恍惚的な「お花が大好き」やブルージーな「Rumor」における、本庄氏(日比谷氏欠場時参加ドラマー/後にdip the flagに参加)のサイケデリック感溢れるプレイも見逃せない。
⑤<復活スラッヂ/19880815@新宿JAM>
1987年の解散後、1年を経て復活したスラッヂの1回きりのライヴを収録。片山氏の代わりにマネージャーの坂本氏がベースで参加。何故かリズム・ボックスを使用した前半のファンク的なアプローチが見所である。しかし後半は、ドラムに日比谷氏が参加するものの、片岡氏がベースを弾くギター・レスのトリオ演奏があったりと、新たなモチベーションを模索するかの如く様々な思いつきを実行するのだが、どうにも焦点が定まらない・・・と言った散漫な印象は拭えない。ただし、バンドの歴史を綴ったドキュメンタリー作品として観れば、これは非常に感慨深い内容と言えよう。
<総評>
毎回異なった表情を魅せるスラッヂ、その変容の歴史を垣間見る事が出来る、まさしくアーカイブ的な作品。
ちなみに、これだけ充実した内容にも関わらず2000円と言う極めてお買い得な価格での販売を実現させた本作品発売元のKootown Recordsとは、御自身もミュージシャンである“くう汰”氏が立ち上げたばかりの自主レーベルで、現在の所、主にフリー・ジャズ・ドラマーである羽野昌二氏関連の作品を数点リリースしている。そして、くう汰氏もまた、先日紹介したイベンターの“きちろー氏”同様に私より年上の方でありマスが、音楽を受動的に楽しむだけで満足出来る消費者(リスナー)の立場では飽き足らず、“音楽に恩返し”すべく、本業で儲けたお金をレーベル運営につぎ込み、ミュージシャンの活動を支援して行こうと頑張っておられる方なのデス。私は今後も、こう言った「経済は文化に奉仕すべきなのだ」と言う考えを実践している方々を、ミュージシャン同様・・・否、それ以上に、微力ながらも応援して行く所存でありマス。
■なお、只今お買い上げ頂いた方には、先行販売特典CD-R(2007年復活ライヴの別ソース音源全11曲にプラス、1985年1曲と2008年2曲のリハーサル音源を収録)付の限定仕様となっておりマス!!(^^)/

■次回は、上記DVDと同時に入荷した、スラッヂ~ATSの菅原氏によるニュー・バンド、FSM(フリー・セックス・マニア)による1stデモCD-Rを紹介イタシマス。