Mr.エレクトの独り言 FSM(フリー・セックス・マニア)/1stDEMO(CD-R)¥1000
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Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

FSM(フリー・セックス・マニア)/1stDEMO(CD-R)¥1000

★てへへ・・・。毎度お馴染み、ライヴ直前の作品レビューでありマス。(^^;)

FSM(Free Sex Mania)/1stDEMO(CD-R)¥1000
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①Dalina Yoko’s Blues②Marboh Guitar③Midnight Boy④Dalina Yoko’s Blues 2
★③はザ・スラッヂ「夜行少年」のカヴァー。

FSM(Free Sex Mania)とは、元ザ・スラッヂのヴォーカリストである菅原氏が結成したニュー・グループである。

なお、メンバー構成は、Free担当のF=藤井政英(B,Cho)、Sex担当のS=菅原正博(G,Vo)、Mania担当のM=森本在臣(Ds)の三名で、そのグループ名は、実は彼らの頭文字をアルファベットで並べたものにもなっているのであった。

ちなみに、菅原氏がこの新バンドを結成するに至った理由を推測するならば、ザ・スラッヂ、そしてそのリユニオン・バンドであるアフター・ザ・スラッヂ(ATS)を動かす際に付きまとう、ある種の責任感から来る重圧及び、既に故人であるがゆえになおさら逃れられぬギタリスト片岡氏の呪縛から解放され、もっとフレキシブルかつ自由に、そして何より自分の楽しみのために演奏活動を行いたいと思い立ったのであろうと言う事は想像に難くない。

そう考えると、年齢が一回りも二回りも下の若いミュージシャンである藤井氏(EthNois Arkestra、堕空、ギルネルムジマ、他)と森本氏(EthNois Arkestra、堕空、電機姉、他)の起用、更に言えば、お互いにソロ活動もしつつ、両名が共に参加するグループも含めたいくつものユニットを並行して立ち上げ、実に精力的かつ瞬発力のある音楽活動を行っている彼らを指名した事にも至極納得が行くのである。そしてまた、彼らは若くして様々なジャンルの音楽に精通していると言う点もさる事ながら、菅原氏同様、ロックン・ロールを音楽の一形態としてだけではなく、歴史的な観点から見た文化や風俗のひとつとして、こころから愛し嗜んでいるのだと言う点が挙げられるだろうか。

さて、それではFSMの音楽性であるが、デビュー・ライヴを観戦した際の印象も含めて書くと、基本的にドラムが本職ではない森本氏がドラマーで参加している事からも窺える様に、決してマニュアル的に高度な技術を追求したものではない事が解る。そして、ベースの藤井氏は煙草をくゆらせながらの実にふてぶてしい演奏態度であるし、菅原氏は哀愁を湛えたヴォーカルと何ともひねくれた痙攣ギターを自由気ままに鳴り響かせている。しかも三人とも死人の様な色合いのメイクを施しており、それはまるで、国籍不明のイカれたポンコツ・ガレージ・バンドの趣であろうか。しかし、その粗野で不健康な演奏の中に時折垣間見える知性とユーモア、それこそが彼らの最大の魅力なのである。

そして、FSMのライヴを観ている時、あるいはその音源を聴いている時、私には見えるのだ。黒煙を吐き出し、歪んだボディを軋ませながら走る年代物のスポーツ・カーが・・・。そいつは最新流行とは全く無縁であるが、そのフォルムには商業第一主義と大量生産によって失われてしまった個人主義的な美学と言うものが間違いなく反映されている。そして更に、利便性には程遠く、あちこちがしょっちゅう壊れる困りものであるがため、手間暇かけて修理しなければすぐに言う事を聞いてくれなくなる代物でもあり、ゆえにそれは、深い愛情が無ければ乗れない車・・・とでも言い換える事が出来ようか。

よって、FSM。彼らもまた、正真正銘、ロックン・ロールへの深い愛情が無ければ“ノレない”バンド・・・である事は、もはや言うまでもないだろう。

■上記作品は当店にて取扱中!!通販も可能!!

★なお、FSMのライヴが、7月20日(日)、新大久保アースダムにて開催される“いぬ屋敷”にて、ビル始め、オイラ先輩や、以前こちらでも紹介した茨城の悲鳴、他との共演で行われマス。そちらも是非!!