そして、あれから数日間。あいつ、ドラへもんは家庭教師らしい事どころか、ボクに何一つ説教臭い小言を言う事も無く、毎日毎日ただ遊んで暮してるだけだった。
ボクはと言えば、あいつが来る前と同ぢ穏やかな生活が送れ嬉しい限りなんだけど、何だか納得行かないのも事実。でも、パパやママは何一つ文句を言わないどころか、相変わらず夕食時には楽しそうにあいつと語らい、笑いが絶えない。
なんだい!!何だか面白く無い!!以前の様に、家に帰って昼寝の生活が確保されてはいるとは言え、ボクはだんだん、あいつの存在が憎くて仕方無くなって来た。
ボクはこんなに、毎日苦労してつらい思いに耐えて、パパとママの前では涙を見せない様、苦しみや悔しさを押し隠して生きているってのに。あいつの、あの自由奔放さと来たら・・・。
そう。ボクは、パパとママに、ある大きな隠し事、重要な事柄を秘密にしていたのだ。
やっぱ、あいつが我が家にやって来たせいだよ!!
ボクは、ドラへもんへの憎悪を、日々、募らせていった・・・。
(つづく)