ボクは、夕食のカレーに入れられた人参が大きかったと言う、ただそれだけの理由でドレミを呼び出した。そして、密かに作成した自作の高電圧発生装置に取り付けられた2本のスティックを、それぞれドレミの右腕に近づけた・・・。
のひ太「ウフフフ・・・。どうやらこの腕に問題がある様だな~。」
そして、左右のスティックがドレミの右腕に触れるか触れないか、その瞬間!!
バチバチッ!!
もの凄い衝撃音と閃光が発せられたかと思うや・・・。
ドレミ「フギャピ~!!」
・・・と、ドレミは大声を出して床にもんどりうった。
のひ太「アハ・・・アハハハハハ!!なんだいなんだい、どうしたそのザマは!!これはまだホンの小手調べだってのに!!どれどれ、お次は下腹部の辺りを・・・。」
ドレミ「モギャプピギョヘ~!!」
のひ太「アハハハ!!面白~い!!それぢゃあ、ここはどうかな?」
ドレミ「ブゴパピドベピ~パラレロボナピ~!!」
のひ太「アハハハハハハハハハハハハハハ!!何だよそれ!!・・・ハァハァ・・・もう!!おかしすぎてお腹がよぢれそうだよ!!」
ドレミ「ノピタタマ・・・オキモツハワカリマスガ コノママデハ ワタクシコワレテピマイマフ・・・。」(訳:「のひ太様・・・。お気持ちは解りマスが、このままでは私、壊れてしまいマス・・・。」
のひ太「何~!?お前にボクの気持ちが解るだと~!!」
ドレミ「省略」(訳:「まだ甘えたい盛りの小学生だと言うのにママさんが家を出て行ってしまって・・・。だから、のひ太様がいつもどんなにつらい思いをしているか、そしてその孤独感と寂しさが私には良く解りマスです。」
のひ太「嘘付け!!だいたいお前、ただの機械ぢゃないか!!お前なんかに、ロボットのお前なんかに人間であるボクの気持ちが解るはずないだろ!!それを生半可に、さも自分は理解者のつもりでございってな振りしやがって!!マジムカツクんだよ!!善人ぶってんぢゃねえ!!でたらめコイてんぢゃねえ!!適当な事言ってんぢゃねえ!!調子に乗んぢゃねえ!!ふざけるのもいい加減にしやがれ・・・だ!!」
そしてボクは、一方のスティックをドレミの口に無理矢理押し込み、もう一方のスティックをドレミの頭のてっぺんに近づけた!!
ドレミ「ドビバラホゲフガハゲヒラドゴ~ン!!」
のひ太「何だ~!?もう!!それぢゃ何言ってるかさっぱり解んないだろ!!」
ドレミ「うう・・・どうしてこんな・・・。のひ太ちゃんは、本当はこころの優しい子供だったはずなのに・・・。」
のひ太「キィ~!!またボクのおばあちゃんの真似か!!それが一番頭に来るって言ってんだよ!!よ~し!!そんなにボクの気持ちを解りたいなら、た~っぷり解らせてやろうぢゃないか!!」
ボクがこれまで受けてきた残酷な仕打ちの数々、ボクがこれまで胸の奥底にひた隠しにしてきた孤独の苦しみ、そして踏み躙られ苛まされ続けたボクのこころの悲しみや痛み・・・。
それを全部、これからお前にも一生味合わせ続けてやる!!
死ぬまで・・・そう、お前がぶっ壊れるまでずっとだ!!
(つづく)