Mr.エレクトの独り言 実録「レコード・コレクター地獄変」⑥「亡者の述懐(中編)」

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

実録「レコード・コレクター地獄変」⑥「亡者の述懐(中編)」

(前編からのつづき)

さて、いよいよ本邦初公開!!これがジョニー氏のノート(表紙)だ!!
ノート表紙

ところで、彼は二度程、コレクター引退宣言をしている。ただし一度目は「やめさせられた」感が強かったため完全に未練を断ち切れずリバウンドで復活してしまったが、二度目は本当に生活に困窮していたがゆえの、ある種“自己破産”に近いものであった・・・。

そして、その一度目の引退後、件のノートに記されていた400点にも上るおびただしい数のWANTリストは、一瞬確かにゼロになった。

ところがその後、これだけはどうしても手に入れないと悔いが残る・・・と、まずは、わずか30点のレコードがリスト・アップされ・・・。

しかも更に、ジョニー氏は半年も経たぬうちにコレクター道に復帰してしまったため、その間に手放してしまったレコードをもう一度取り戻すと言う愚かな夢までも抱き、WANTリストは50、100と、次第に増えて行った・・・。

その挙句、引退する前には400点であったWANTリストの数が、復帰後には500点に膨れ上がる始末。・・・・逆に増えとるやん!!

だがその後、アパートの家賃を滞納し過ぎたためにセミ・ホームレスとなり、今度こそ本当にレコードの収集をやめざるを得ない状況となった訳なのであるが・・・。

驚くなかれ、それで彼の物欲が完全に失せてしまうと言う事は到底なかったのである。

ジョニー氏曰く・・・「女性歌謡曲はみんなが欲しがるせいで人気があってバカ高いから、もう絶対買っちゃ駄目ね。でも私の欲しい民謡とか童謡のレコードは人気がなくて安いから、これは買っても問題ないでしょ。」

・・・と、そんなとんでもない理屈から、彼はシャワーを浴びにネット喫茶に立ち寄る際、インター・ネット・オークションをチェックする事を覚え、欲しいレコードを見つけるや、私に代理入札を頼む様になったのであった。

よって私は、いくばくかの手数料を頂き、彼のためにレコードを仕入れてあげる事にしたのだが・・・。

えっ!?そのくらい無料でしてあげろって?冗談言わないでよ~!!だって年に一回や二回なら良いけど、ジョニー氏、放っとけば毎月でも頼みに来るんだもの。実際、代理落札もあれこれ手間がかかって面倒臭いし、こっちもそんな事してる暇や余裕無いって~の!!

しかも、引き受ける際には、ジョニー氏に対し必ず小言を言う様にしているし・・・。

私「ジョニーさん、またデスか~!?そんな寝る所もなくて毎日メシが喰えるかどうかも解らない状態だってのに、こんなレコード買ってて良いんデスか?そんな金あったらカップ麺とか何個でも買えるでしょうに~!!」

ジョニー「いや、良いんデスよ。女性歌謡のシングルは高いけど、私の集めてる民謡とか童謡は値段が安いからね~。」

私「安い・・・たって、自分の生活レベル考えてモノ言って下サイよ~。だってレコード・プレーヤーどころか住む部屋さえないんだから、レコード買ったって聴けないでしょうに・・・。」

ジョニー「いいのいいの。私、この表紙(=レコード・ジャケット)の絵柄が好きで集めてるだけだから。」

私「あっ、そうデスか・・・。(余計悪いっちゅうの!!)」

そんな調子なもんで、私も断りきれず依頼を受けるのだが、問題なのは金の支払いである・・・。

(後編につづく)