Mr.エレクトの独り言 「トコマノタキ」
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Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

「トコマノタキ」

この一件、考えれば考える程に、非常に興味深い。

要するに、それが本当に中傷であるとか名誉毀損であるとかの真偽以前に、被害を受けた者が誰(何者)であったかによって善悪が決まるって事な訳だから・・・。

実際、「被害者は声がでかいからだとかケンカが強い人だから、直接怒られるのが怖くて謝った」・・・など言うかわいらしい理由などではなく、あくまでも被害者に権力があったゆえ、それも人数(金や業界におけるコネの力で味方なり子分にしている人間の数)を後ろ盾にした力によって、今回の一方的な判決は下されたのだ。

・・・とは言え、もちろんそれがその世界に住む人達のほぼ総意であった事も事実であろう。芸能界自体が、その様なパワー・バランスの下に成り立っている世界なのだから。

しかしながら、その様に権力者に楯突いた者だけが断罪され、逆に力の弱い者を叩く・・・しかも多人数による多数決の権力で裁く事は絶対的な正義であるとされるその在り方に、何ら問題はないのであろうか。

・・・否。どの様な世界、集団、空間においても、数が多い方が正義・・・であると言う訳でもないが、そちらを採用した方が高い確率で物事が上手く解決出来たりスムーズに進められるのであろうと言う事も事実。

しかるに、我が国におけるあの戦争においても、当時はあれだけ国民の殆どが熱狂し、おそらく少数であったろう戦争反対者が弾圧された現実、そして敗戦するや戦争は悪であったと殆どの国民が意見を翻しているであろう現在。

・・・にも関わらず、賛同する人数が多いくらいの事で、どうしてそれが“正義”なり“善”であると言う根拠になり得ようか。

思うにそれは、各々が一人になって物事の良し悪しを真剣に考えないからである。

ただ賛成意見の数が多いと言うだけで、それが本当に正しいものであるのかどうかと言う事を考えもせず、何の疑問すら抱かずに受け入れる。

そして一旦正しいものであると認識した途端、少数の反対意見の存在を目にしても、その人達の考えを再度検証しようと試みるどころか、まるで自分が正義の使者であるかの如く少数意見を迫害する事で自分の正しさを証明したつもりになって優越感や愉悦に浸る人達。

そもそも、正しさどころか、自分の意見や考えなどないくせに。

・・・が、もちろんそんな野蛮な人間も多数側を支える人数の一部を構成するに過ぎず、またおそらくは(総数に比例するがゆえ)人数こそ少ないものの、少数側にも同様の割合で何も考えない人間が含まれているのであろうと推測されるべきでもあろう。

ゆえに結論として、今回私が強く述べたいのは、これからの時代は、異なる意見を持つ者同士が対立して人数の多い少ないを競って不毛な争いを繰り返すのではなく、物事の良し悪しを自分自身で考えようとする者と、そうでない者とを見極めていく事こそが重要なのだと言う考え方なのである。

もっとも、こんなものは理想論に過ぎないが・・・。

だが、誰もが自分自身で物事を考える様になれば、否、むしろその逆に、そうならなければこの世に理想の社会を実現する事など到底不可能であろう。

考えなければ、至らない。

考えなければ、人間も獣と同類。

えっ!?理想の社会がどんな世の中かって?

だから、それを各々が自分自身で考えるの!!