ある日曜日の事・・・。
その日、パパは朝早くからゴルフに出かけてしまった様で、家にはボクとドレミの二人っきりだった。
昼前に目を覚ましたボクは、昨晩ベッドの上で漫画を読みながら寝てしまったため、枕にジュースをこぼしてしまっていた事に初めて気が付いた。
「やっべ~!!やっちゃった!!・・・でもシーツでなくて良かったよ。流石にこの歳になっておねしょしたなんて思われるのいやだからさ~。」
そして、ボクは枕を手にして、一階へと下りて行った。
すると、ちょうどドレミが洗濯機に水を入れている姿が目に入った。
そこでボクは、「これも頼むよ!!」・・・とドレミに近寄り、洗濯機に枕を放り込もうとした・・・その矢先!!
「ああっ!!それはイケマセン!!」
・・・と、異様な慌てっぷりで、ドレミがボクから枕を奪い取った。
ああ・・・まだ入れちゃ駄目って事かな?
・・・その時点では、ボクはその事を大して気にも留めず、何かジュースでも飲もうと思い、冷蔵庫のある台所に向った。
ガチャ・・・。ボクは冷蔵庫を開け、オレンジ・ジュースを取り出すと、それをグラスに注いだ。
ゴキュ・・・んぐっ・・・ゴキュ・・・。
あ~!!冷たくて美味し~!!
一発で目が覚めちゃうよ!!
ハッ!!
・・・とその瞬間、ボクの脳裏を、ある閃きが駆け巡った!!
あっ!!・・・まさか!!・・・もしかして・・・!!
当初、単なる思い付きに過ぎなかったそれは、時間を経る毎に明確な認識へと形を変えて行った・・・。
もしやあいつ!!・・・あの糞ババア!!
そう思うが早いか、ボクは流し台の下の扉を開き出刃包丁を一本掴むと、洗濯機の置いてある風呂場脇へと急いだ!!
あの野郎!!そうだ!!間違いない!!よくよく考えてみれば!!
いや!?だけど!?まさか!?どうして!?
そのわずかな時間、ボクの頭の中には様々な推理や憶測が飛び交い、もはや一刻も早く事実を確かめない事には、混乱してどうにかなってしまいそうだった。
「ドレミ!!その枕をボクに寄越せ!!」
出刃包丁を振りかざしながら、ボクはドレミに襲い掛かった!!
(つづく)