Mr.エレクトの独り言 「広島パンク~ハードコアの歴史」(番外編)~「C.O.P(CORRUPTION OF PEACE)」④

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

「広島パンク~ハードコアの歴史」(番外編)~「C.O.P(CORRUPTION OF PEACE)」④

<言い訳>たはは・・・。作成してた文章が途中で消えてしまった上に、その後も日々忙しく、更に昨年は清志郎が死んだりして意気消沈したせいもあるとは言え、(つづき)のまま、ほぼ1年間もお待たせしてしまい、申し訳ありマセンでした~!!(^^;)

(過去掲載記事)
■「広島パンク~ハードコアの歴史」(番外編)~「C.O.P(CORRUPTION OF PEACE)」①
■「広島パンク~ハードコアの歴史」(番外編)~「C.O.P(CORRUPTION OF PEACE)」②
■「C.O.P.復活ライヴ~CD発売記念ライヴ告知」
■「広島パンク~ハードコアの歴史」(番外編)~「C.O.P(CORRUPTION OF PEACE)」③
(~のつづき)

さて、C.O.Pの進化の軌跡が持つ真の意味合い、そしてハードコア・パンクの歴史に残したその重大な意義とは何であるのか?と言う点についてだが・・・。

わが国日本においては、ハードコア・パンクのみならず、そもそも音楽自体が、欧米から輸入された最新流行品にいくらか手を加えて日本流にアレンジすると言うのが主流であった。そしてそれは革新的な精神を持っているはずのパンク・ロックにおいても同様であり、むしろポスト・パンクの方が斬新なスタイルを発明する可能性がいくらかは残されていたのだが、しかしそれもまたポスト・パンク的な音楽スタイルをただ踏襲するだけと言う元も子もない状況だったと言うのが一般的な見解であろう。

そんな中にあって、日本のハードコア・パンク・バンドも、メタル・コア化、ノイズ・コア化、スラッシュ化等々、様々な変化を見せる訳であるが、その殆どはいずれも既存の音楽的スタイルを選び取っているだけに過ぎず、当初はハードコア・パンク・バンドとしてデビューしたソドムに至っては最早ハードコアのハの字もない流行の最先端の借り物音楽へと次々モード・チェンジを繰り返す有様であった。・・・とは言えもちろん、その一方ではガーゼの様に結成当初からその後何十年にも渡ってエクストリームで過激なサウンドを独自に追求し続けるバンドも居れば、エクスキュートの様にリーダーでありギタリストであるLemmy氏が持つ美意識を忠実に楽曲へ反映させて行ったバンドも居たと言う事もまた事実ではあったが・・・。

そしてそれらを踏まえ、再度C.O.P.について考えてみると、もちろん彼らもUKハードコアに端を発し、バッド・ブレインズ等USハードコアの影響もモロに受けてはいるものの、アルバムに収録されている楽曲を作曲者ごとに見比べて行くと、そこにはまるでそれぞれのメンバーの異なる嗜好やその後の方向性が楽曲を通して垣間見えるかの様であり、そう言った各々の人間性に基づく音楽的な発展形態の選択肢の多さと、それらをブレンドする事によって更に広がる可能性の振幅の大きさこそが、彼らの、単にハードコア・パンクと言う借り物の音楽スタイルを踏襲し再生産するだけのバンドに比べ大いに異なる点なのである。

また、それら個々の嗜好や方向性の差異を補って余りあるメンバー間の結束力の高さによって、彼らはバンド自体をまるで一つの生き物の様に成り立たせており、そう言う意味においても、もしも彼らがこの先も活動を続けていたらどの様なバンドに進化していったのだろうかと言う点は非常に興味深い事柄なのであるが、(色々な裏事情があったとは言え)短命に終わってしまったがゆえに、その点は想像するしか手立てがないのが惜しまれてならない。

ちなみに、C.O.P.の様なバンドを他に挙げてくれと言われれば、私はLIP CREAMではなく、むしろ故チェルシー氏のバンドであるPAINT BOXを挙げるだろう。何の迷いもなく・・・。

最後に。次回(←性懲りもなく続く?)はアルバムを作曲者ごとに追って解説する予定なので、今回は今まで語りそびれていたKEVIN氏に関しての想い出等を記述して終わるとしよう。

当時としては画期的な外国人ヴォーカルであったKEVIN氏。彼の最大の魅力は、やはりその流暢な英語の発音にあった・・・と言うのは半分冗談だが・・・何をおいても素晴らしい彼の特色とは、当時高校生だったと言う事もあるだろうが、やはりそのストレートかつ全身全霊を込めた歌唱にあると私は考える。支配者や権力者による抑圧や偽善に対する抵抗や怒りがパンク・ロックにとって最も重要なアティテュードであると言う点に関して何の異論もないと言うのであれば、彼こそはまさしく正真正銘のリアル・パンク・ロック・シンガーであると言えよう。当時、客席からステージが良く見える目黒鹿鳴館でのライヴにおいて顔を真っ赤にして熱唱していたKEVIN氏の姿は、今でも私の脳裏に刻み込まれており、そしてそれはまた、20年以上の時を経た再結成ライヴにおいても同様であった。

(つづく)

CONSUMER
(画像はC.O.P.参加のコンピ・テープ。)