Mr.エレクトの独り言 禁未来小説「ドラへもん」その106「女教師夏子との出会い」の巻

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

禁未来小説「ドラへもん」その106「女教師夏子との出会い」の巻

もうすぐ小学校5年生の2学期も終わろうかと言う12月の、とある日、彼女は現れた・・・。

元々、今のクラス担任の男性教師は高齢だったのだが、体を悪くして入院する事が決まったため、その代理として若い女性教師が赴任して来る事になったんだ。

どこからかその情報を聞きつけたのか、その日は朝からクラスの連中もざわついていた。

女子A「今日来る新しい先生って、若い女の先生らしいわよ!!」

男子A「え~マジ~!!その先生、美人かな~!?」

女子B「もう!!男子はいつもそんな下らない事ばっか言って!!やめなさいよ!!」

良くある光景、良くある台詞、だけど、ボクにはもう、そんな事どうでも良かった。

やがて始業のベルが鳴り、教頭が新任の女教師を引き連れて教室に入って来た。

その名前、仁浦夏子。

凛としたその風貌は、どこか宝塚の男役を思わせるものだった。

教頭が教室を離れるや、急に年齢相応のいたずらっぽい顔を見せ、その女教師は流暢に自己紹介を始めた。

中学生の頃は手の付けられないワルで、だけどその時出合った家庭教師の女性のお陰で更正し、自分も何か教育関係の仕事に携わりたいと思い立ち、今があるのだ・・・と。

それにしても、どうした事だろう・・・。

ボクは、その女教師を一目見るや、自分の胸が締め付けられる想いがしてたまらなくなってしまったんだ。

年上の女性に惹かれてしまう事って、この時期の男子には良くある事とは言え・・・。

何と言えば良いんだろう、毎日をまるで生きる屍の如く過していたボクにとって、若々しさと生命力とに満ち溢れた彼女は、“憧れ”と言う言葉が最も相応しい存在だったんだ。

・・・と、そんな矢先、ある女子生徒がこう言った。

女子C「ねえ!!先生の事、ナツコ先生って呼んでいい!?」

男子B「ナチコ先生か~!!それ頂き!!」

女子C「バカねえ!!何言ってんの、ナチコぢゃなくてナ・ツ・コ!!仁浦夏子なんだから、ナツコ先生に決まってるぢゃないの!!」

男子B「あっ、そうか!!いけね!!」

(教室内の生徒爆笑)

夏子先生「ウフフ・・・。そうね~、私はどっちでも構わないわよ。」

男子C「それぢゃ、決まり!!今日から先生はナチコ先生だ!!」

そんな、たわいもない教師と生徒達との下らないやり取りを、ボクは聞くともなく聞いていた・・・。

今にして思えば、この穏やかに流れる何て事ない瞬間こそが、この学校におけるボクの最後の安らぎの一時だったんだ。

今日赴任して来たばかりの女教師夏子が、まさか、あんなとんでもない提案をするとは露とも知らず・・・。

(つづく)