そもそも、「自分には能力がある」だなんて思い込んでいる人間に権力を与えると、ろくな事にはならない。
公務員批判に対する反対意見として、彼らを擁護する際に「官僚になる人は民間に行けばもっとたくさんの給料をもらえるのに・・・うんぬんかんぬん」との論調を良く聞くが、「だからもっともらって良いんだ」と言う事にはならない。
だいたい、そんなにお金が欲しいなら民間に行けば良かったろうし、それ程までに「自分には能力がある」だなんておっしゃる優秀な方が民間で働けば、さぞ我が国の景気も良くなる事でありましょう。
ただ、そうは言うけど民間にせよ能力があれば誰もが高給取りになれるかと言えば、そんなはずはない訳で・・・。
元を正せば、その「自分には能力がある」と思い込む事自体が大きな間違いなのである。
・・・否、確かに豊富な知識はあるのであろう。
そしてまた、彼らは所謂勤勉さと言うか、スポーツ選手になれる程の運動神経は無いにせよ、遅刻しないで学校なり会社に通い、毎日コツコツと勉強するなり働く事の出来る、ある一定の体力と精神力とを備えている。
・・・が、実はそれこそが駄目なのだ!!
彼らは、自身はもちろんそう言った朱(種)にも交わってこなかったために、人間の本質を知らないと言うか、人間が持つ愚かさや醜さをあまりにも知らな過ぎる!!
だから、まずはそう言う人間を見下し、「自分には能力がある」のだから高給を取っても良いんだ・・・となるし、そう言った愚かな人間が居るのだから世の中を良くして行く事など無理な話だと自分勝手に思い込み、そう言った自身の(人間としての)愚かさにさえも気づかない心理状態に陥るのだ。
しかし、「人間は愚かである」と言う事を自覚しつつも、なおかつ世の中を良くしたいと考えている様な人間が権力を手にしたならば、「人間は愚かである」事を前提に物事を考えるため、そう言った人間が持つマイナス面を克服するための社会の仕組みを必死で考えようと知恵を絞るはずなのである。
・・・とは言えもちろん、それ(愚かさ)は自身で克服すべき・・・と言う意見もあろう。
しかるに、誰もが健全な肉体、健全な精神、健全な家庭、健全な環境等を持って生まれる訳ではないのだ。
ゆえに、本来は子供にだけではなく親に対しても、権力者や既得権益者のみに利益をもたらすための“飼育”ではなく、人を育てるための“教育”が受けられる様にしなくてはならない。
ところが・・・実はそうすると困るのは権力者や既得権益者はもちろんの事、「自分には能力がある」と思い込んでいる人達なのであるからして、誰もが優秀になってしまったら自分の地位が脅かされる恐れがあるため、彼らはそれを積極的にしようとはしないのである。
要は、下は下で、皆が馬鹿のままでいないと自分だけが取り残されるのがいやなもんだから、物事を真剣に考えようとしている人間や少しでも自分の愚かさを克服しようとしている人間の足を引っ張ろうとする馬鹿も居れば、上には上で、やはり人々が無知で居てくれた方が都合の良い人間も居るって事か。
更には、「自分には能力がある」とおっしゃるが、そりゃ確かに知識は人よりたくさんあるだろう・・・何故なら、そのためにそれまで貴重な時間を費やして来たのだから。
だが、本当に重要なのは、その知識と知識を繋ぎ合わせる事もそうだが、そこに新たな発想を加える事によって、現在既に在るものをより良く改善して行く事なのであるからして・・・。
しかも、余計に知識がある人程、「それが無理だ」って事も既に知ってる・・・って言うか、「それは無理だとされていた」昨日までの古い知識に囚われがちだから、もうそこからして駄目なんだよね。
もし本当に、「自分には能力がある」と言うのであれば、「無駄な公共工事もやらないよりマシ」なんて言わずに、もっともっと「有用な公共工事」でも考え出してもらいたいのもんだし、それが出来ないと言うのなら、それこそまさしく「無能」って事なんじゃないの?
・・・と言うかそれ以前に、理想とまでは言わないけれど、自身の将来の生活設計以外に、目標と呼べる指針さえあるのかどうかさえ疑わしいと思えてしまう。
結論としては、知識だけで世の中が平和になり人々が幸せになるんであれば、巨大コンピューターにでも管理を任せれば良い訳で、そう考えると・・・。
あくまでも建前上は、官僚(公務員)は国民のしもべであり、政治家は国民の代弁者なんだから、国民が「消費税上げたくない」と言うのであれば、官僚は持てる知識を生かし頭をひねり知恵を絞って、「消費税を上げなくて済む方法」を考え出すべきなのである。
それが出来なきゃ無能なんだから、「自分には能力がある」だなんて思い違いはさっさとやめて欲しいし・・・。
その反対に、もしもそれを可能としたならば・・・。
官僚初め公務員の方々は、今以上に国民から尊敬を集め、少々高い給料(税金)をふんだくっても、誰からも文句など言われないのではないだろうか。
以上、とある自営業者の傲慢な独り言・・・デシタ。(^^)b