Mr.エレクトの独り言 「布谷文夫氏の思い出」(前編)
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Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

「布谷文夫氏の思い出」(前編)

今年の初め、また一人、私の好きなヴォーカリストがお亡くなりになってしまった。

その人とは、元ブルース・クリエイション~DEWの、布谷文夫氏である。

私が布谷氏の存在を初めて知ったのは、1971年にリリースされた2枚組の自主制作盤「幻野’71日本幻野祭実況録音盤」をSOLID RECORDSが編集して再発した「幻野 EVIDENCE」に収録されている、DEWの演奏を聴いた時だったろうか。

ちなみに、同アナログ盤が発売された当初は、同レーベルからリリースされたジャックスの編集再発盤等こそ購入していたものの、こちらは確か’80年代末に、併録されている頭脳警察目当てに、中古盤で買ったと記憶している。

私は基本的に、はっぴいえんど~大滝詠一の流れは好きではないゆえ、布谷氏のアナザー・ワークである「ナイアガラ音頭」等には全く興味が無いのであるが、DEW時代の、自己破壊的なまでに喉を酷使するその歌唱法は、ハードコア・パンクに代わる刺激を求めていた私の嗜好にベスト・マッチするものであった。

また同時期、私はエレカシに嵌っており、特に2ndアルバムに収録されている「太陽ギラギラ」だとか「待つ男」が好きだったゆえ、初めてDEWを聴いた時は「エレカシのルーツがここにあったか!!」などと感じたものである。

そして、ちょうどその頃、当時はオリジナル盤ではとても手に入らなかった布谷氏の’73年に発売されたソロ・アルバムや、DEW以前に在籍したブルース・クリエイションの1stアルバム、初発売となるDEWの’71年のライヴが連続してリリースされ、ブルクリ1stも気に入りはしたが歌詞が英語だったゆえ、やはり私はDEWでの布谷氏のヴォーカルが一番好きであった。

・・・もっとも、上記ライヴ盤にも収録されている最高の名曲「夏は終り」は、歌の入り方等を間違えていたりして必ずしもベスト・テイクとは言い難いので、同曲はやはり「幻野」(現在はオリジナル盤同様の2枚組仕様にドキュメント映像のDVD付でも再発されているが、DEWを聴くだけなら1枚モノの編集盤を買えば充分であろう)に収録されているヴァージョンを聴いて頂きたいと思う。

なお、’73発売のソロ・アルバム「悲しき夏バテ」は、CD購入当時はあまりピンとこなかったが、これも今聴くと良いね。

・・・ただし、やっぱ途中の「颱風13号」みたいな“遊び”は要らないな。

大滝氏が絡むと、音楽が一気にぬるくなるからね・・・。(←あくまでも、個人的な嗜好なので、ご容赦の程・・・。)

それで当時、’91年くらいだったかに布谷氏が復活するってんでライヴにも行ったんだけど、その時は洋楽のカヴァーばっかやってたもんで、それ以降、同氏のライヴに通う事はなかったな。

(つづく)