Mr.エレクトの独り言 「魂の牢獄」その1

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

「魂の牢獄」その1

■「コタイサ」
・・・今回は、上記のつづき的なもの・・・。

まず初めに、体力が無い人間にも二種類が存在し、「体力が無い人」と、「体力に自信が無い人」とに大別されるという事を前提として・・・。

つまり、「体力が無い人」は体力のみを鍛えれば事足りるが、「体力に自信が無い人」に対しては、まずは「やる気」と言うかその「原動力」と言うか「可能性に対する信仰」を身に付けさせなければならないのだから、コストのかからぬ幼少期ならばともかく、ある程度成長してしまってからは、そのハードルを越える以前にその眼前に立ち塞がる殻を壊すのは容易ではないのである。

よって、そう言った自分に自信のない人間、すなわち根拠の有る無しに関わらず自己の存在意義を認められた経験の無い人間が、自身なり他者にそれ(自己の存在意義)を認めさせようとした場合に必要なコストは、そうでない人間(=自分に自信のある人)に比べ、膨大な量になると言う事。

・・・否、もっと正確に表現するならば、コストがかかると“思い込んでいる”・・・とでも言い換えるべきか・・・。

よって、鈍感(=野蛮)な人間が、如何に「誰だってやれば出来るはずだ」・・・などと言った妄言を繰り返そうが、そう言った個体差(=現実)を無視し続ける限り、期待した成果が出る事すら望めないどころか、余計に自信をなくすと言った逆効果にしかならない場合も多々あるのだ。

しかるにまた、その様な、置かれた環境に左右されて自信を失わされた者、自己の存在意義を無条件に認めてもらえず愛情欠乏状態のまま育ってしまった者、もしくは親なり親代わりの保護者から受けた抑圧により人間の尊厳を奪われてしまった者、そう言った人達にしか獲得(もしくは到達)し得ない特殊な能力と言うものがあると言うのも、また事実。

すなわち、彼らにしてみればスタート地点に立つ事でさえ困難だと言うのに、更に他者からもしくは社会からその存在意義や価値を認知してもらうためには、それこそ血のにじむ様な苦労を自己に課す必要がある(と信じ込んでいる)のであるからして・・・。

また、その反対に自信に満ちた人や愛情を受けて育った恵まれた人は、例えそれが勘違いや思い込みであろうとも、既に自己の存在意義や価値を他者なり社会から認められていると信じきる事が出来るゆえ、わざわざそれ以上の“何か”を手に入れたり築き上げる必要には迫られてなどいないのだ。

ゆえに、目の見えない人の聴覚や嗅覚が異常に発達するのと同様、欠乏や欠陥を補うためにつぎ込むコストや情熱・・・否、執念こそが、この世に天才を生み出す悲しき構造であると、私は推測するものなのである。

・・・が、しかしまた、そこにも分岐点は存在し・・・。

その様な天才を生む可能性、すなわちマイナスからのスタートを自身に課せられた者であっても、その抑圧なり重圧に負けてしまった場合・・・。

無気力となった人間は、鬱状態となるか、目先の誤魔化しに耽溺し、積極的にせよ消極的にせよ自らの命を粗末に扱う結果となり・・・。

怠惰となった人間は、他人を騙す(=他者の尊厳を踏み躙る)事さえ厭わぬ様になり、更には自分をも騙す(=自己正当化する)様になり、それが奇跡的に上手く行けば良いが、そうでなければ遅かれ早かれ先の無気力状態に陥る事であろう。

しかし、それも無理のない話・・・。

何故なら、水のない水槽でいくら金魚が頑張った所でその生命を維持するのはおよそ不可能である様に、その大元の構造を変えずして自分一人がいくら努力しても、それで報われるのは本当に極々一部の者であり、もし運良くかりそめの権威を得る事が出来たとて、その影響力が社会の構造自体を変えるまでに至らなければ、常に自身の立ち位置は不安定なものでしかないゆえ、自信のない人間は一時も安穏とした気分には浸れるはずもないのである。

・・・言うなれば、それは単に、最高級かつ最高品質のドラッグ(=ごまかし)を手に入れたに過ぎないと言う事。

だがしかし、また別の言い方をするならば、幼少期に愛情なり自信を充分に得られなかった者は、死ぬまでないものねだりを繰り返す人生を送る羽目になると言う事であろうから、それはそれで成功の範疇と言えるのかも知れない。

・・・とは言え、そこから脱け出せる術もないではない。

そしてそれが何かと言えば、「自分で自分を誉める(認める)」・・・と言う至極単純な行為なのであるが、そもそも自信の無い彼らにそれが出来れば元より苦労などないのだ。

では何故、それが容易ではないかと言えば・・・。

要するに、「人間は一人では生きられない」だの、「人間は他者の存在を必要とする」と言う教え・・・否、刷り込み(=洗脳もしくは脅迫)がその大きな要因であると考えられる。

(その2につづく)