Mr.エレクトの独り言 禁未来小説「ドラへもん」その18「黒い亀裂」の巻

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

禁未来小説「ドラへもん」その18「黒い亀裂」の巻

引きこもり生活2ヶ月目、ボクは一ヶ月前に起きた、あの忌わしい出来事を思い出していた・・・。

パパ「ドラへもんく~ん!!」

居間から、パパが大慌てで飛び出してきた。

そう。怒り心頭のボクは、ついにあの憎きドラへもんを、階段から突き落としてしまったのだ。黒煙を上げながら、ピクリとも動かぬドラへもんの前に立ち尽くし、パパが更にこう言った。

パパ「のひ太!!お前は何と言う事をしたんだ!!ドラへもん君はな、お前の・・・。」

ママ「パパ!!それは・・・!!」

パパ「・・・むむ・・・、そうだな。」

のひ太「何?何?ドラへもんがボクの何だって言うのさ!!」

パパ「いや、何でもない。」

のひ太「何でも無いってどう言う事さ!!パパはボクに何か隠してるんだ。」

ボクは、勢い余って、パパを突き飛ばした。すると、パパはもんどりうってひっくり返った。ボクはこの時、パパの意外な弱さに驚くと共に、大いなる失望を感ぢていた。

ママ「パパ!!パパ!!・・・のひちゃん、あなた、パパに何て事するの!!」

のひ太「うるさい!!」

ボクは、ママをも突き飛ばし、2階にある自分の部屋にかけ込んだ。階下からは、ママの泣き声がかすかに聞こえてきた・・・。

その日、ボクら家族に決定的な亀裂が生ぢた事は言うまでもない。パパもママも、その日から、ボクの引きこもりに対して何の批判もする事無く黙認し、ただボクに食事を運ぶためだけの存在となった。

そしてママには、メモを通ぢて、マンガを買いに行かせ、パパの使ってなかったパソコンを部屋に運び込んだボクは、いつまで続くとも知れぬ怠惰な生活に溺れてきっていた。

とは言え、勉強もしなくて良いし、もちろん学校にも行かなくて良い、更には誰かにイジメられる事も無い。何の能力も、取りえさえも無いボクにとっては、これぞまさしくパラダイスだった。

パラダイス・・・。そう、地獄と言う名の・・・。

(つづく)