Mr.エレクトの独り言 「RUDIMENTARY PENI」(2009年10月4日改訂済)

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

「RUDIMENTARY PENI」(2009年10月4日改訂済)

今回は、ずいぶん前に予告しておきながらほったらかしとなっていた、このバンドの事について触れてみよう。

実は、自宅のレコード棚の、特に洋楽を入れてある下段は棚の前に本やらなにやらが積み上げてあり、とてもレコードを取り出せる状態ではなかったのだが、発売当時買いそびれてて先日やっと入手した「パンク天国2」掲載の行川氏のレビューを読み、どうしても聴きたくなり、今回部屋の奥地からなんとか引っ張り出して来たのであった。

RUDIMENTARY PENI(以下、PENI表記)の1stアルバム、「DEATH CHURCH」。(1983年発売)

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(ポスター・ジャケット。実際は6面あるうちの、画像の右方が表ジャケとなる。)

これは当時、どっちがバンド名なのかも解らぬママ、かなり繰り返し聴き込んだアルバムである。

その後、初期のEP2枚をカップリングしたアルバムも購入したが、やはり、統一感があって完成度も高い1stアルバムの方に思い入れが強い。

元々、CRASS系の音は好きであったが、PENIの場合は神経症的な緻密なアート・ワークによるジャケとも相まって、精神面における陰影が音にも如実に描き出されており、政治的な思想がメインであると思われがちなCRASS系においては珍しく、非常にアーティスティックなグループであると言える。

楽曲も、ミディアム・テンポのものがメインだが、ハードコアとも呼べる速いスピードのものもあったり、ひとつの楽曲の中でも自然にテンポ・チェンジが行われたりと、曲構成やアレンジの面での自由度が高く、楽曲の持つテーマや歌詞・・・すなわち感情の起伏が実にリアルに反映されているのである。この点が、紳士の国である所以か一見荒くれ者に見えても実際にはどこかお行儀の良いUKパンクには無い、PENIの特筆すべき魅力でもある。

そして、やはり最も興味深い点としては、リーダーでありギター&ヴォーカル、更にはジャケットのアート・ワークも手がけるNICK BLINKOの、個人的感情や衝動に基づく表現に対する純粋かつ誠実な姿勢が彼らの音楽の核であり原点であると言う紛れも無い事実が、似非パンク・バンドにありがちな偽善や嘘から彼らを遠ざけている要因であろうと推測される。

当初、ハードコア・パンクにおける楽曲のスピード(テンポ)や激しさには意味があった。しかし、それが形式となり様式となるに従って、表面的なスピードや激しさのみを追い求める、あまり必然性の感ぢられないバンドが増えてきて、私を辟易させた。

しかし、PENIの音、そして彼らの楽曲におけるそのスピードや激しさに、私は必然性を感ぢてやまないのである。

古いとか新しいとかでは無いのだ。

そこに“意味”があるか?“意義”があるか?“意志”があるか?・・・それこそが、私にとっての最重要事項なのである。

そしてそれは、“生きている”のか、それとも“死んでいる”のか?と言う問いかけへの答えと同義であると思って頂いて、ほぼ間違いない。

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(ポスター・ジャケットの裏面。なんぢゃ、こりゃ~!!)