その日の夕食時。
しばらく我が家にホーム・ステイする事になるヘ~カくんは、すっかり、俺のパパとママとも打ち解けていた。相変わらず、料理の名前に始まって、使われている食材だとか何とか、細かい質問が多いのには閉口させられたけど、実は、その時、俺は奇妙な点に気が付いたのだった。
そして、その夜。
子供部屋で、ヘ~カくんと一緒に寝るハメになった俺は、早速、その疑問をぶつけてみた。
キチロー「おい、ヘ~カ!!おめえ、宇宙人だの天王陛下だの言ってるけどよ~。なんで箸の使い方知ってんだ?あ~!?」
そう。地球に来て間もないはずなのに、奴は何故か、箸の持ち方は既に習得していたのだ。
・・・本来は、日本語・・・ちゅうか、地球語だって、何で喋れんのか良く解んねえけど、まあそれは地球に来れるぐらいの知的文明がある訳だから、科学技術の進歩やら何やらで、まあ何となく何とかなる様な気もするけど、箸ってのは、日本や中国とかのアジア圏に特有な、人類の文化的な発明品なんだから、そんな上手い具合に、「天王星でも箸を使ってた」なんて言わせねえぜ。
・・・とは言え、知的生命体の考える事だからな。偶然の一致てのも有り得なくも無いが・・・。
ところが、そんな俺の問いに、ヘ~カくんは、驚くべき返答を寄越したのであった・・・。
(つづく)