Mr.エレクトの独り言 広島パンク~ハードコアの歴史⑪

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

広島パンク~ハードコアの歴史⑪

さて、年明けて1983年。既に、UKハードコアや、日本のハードコア・パンクのハシリであるチフスやガーゼの音も聴いてはいたが、筆者にとって、何と言っても衝撃的であったのは、ライヴ・オムニバスLP「OUTSIDER BOOTLEG」でのカムズであり、おそらく’83年初頭に手にした、エクスキュートの1stソノシートであった。実は、DOLLの記事を読んだ当初は抵抗を感ぢた、日本のハードコア・パンクではあったが、実際の音を聴いてショックを受けた後となっては、もはや、ザ・スターリンは過去のものとなり、少々大げさに言うならば、この先数年は、ハードコア・パンク以外の音楽は聴けないと言った状態にさえ陥るのである。

1月は、ギターのナカガワの受験勉強のため、バンド活動はお休み。

そして、2月13日。「広島ロッカーズ」なる団体による「広島ROCKERS 1stバレンタインGIG」と題された自主企画ライヴを、ディスコ2001と言う、店内の壁が全面鏡張りとなっているディスコへと観に出かけた。日曜日の昼間、料金はドリンク込み800円。当時のフライヤーには、「ディスコにつき、ゲタバキ、サンダル、ジャージ、リーゼントの方、入場お断り」とある。他は解るとして、リーゼントも駄目・・・と言うか、つっぱり(今で言うヤンキー)不可と言う事か。そして、出演は、QUESTの「無名人コンサート」等で知り合った、ザ・ルーディーズ、ラグタイム、チルドレン・シティ・ロッカーズら、同学年のバンドの他、ストリッパーと言う、少し年上のバンド、そしてウォーリアーと言うバンド(記憶無し。ハード・ロックか?)であった。また、おそらく、この日のライヴが、広島初のパンク系自主企画ライヴであったはずだ。それまでは、フォークやヘビメタ等混在の、音楽的に統一感の無いライヴはいくつも行われていたが、ライヴハウス以外での開催である事と言い、フライヤーのデザインにも“極楽注射”なるクレジットがある等、当時の広島に於いて、これはかなり画期的なイベントであった。しかし、各バンドの演奏内容については、筆者は全く記憶に無いのであった(テヘヘ・・・ゴメン)。ただし、出演バンドの殆どがオリジナル曲を演奏していたと言う事実は、明らかに、筆者らに刺激を与えるものであったと推測される。事実、その2週間後にQUESTにて行われる「無名人コンサート」に出演するに当たり、筆者らは、今度こそ真面目にオリジナル曲を作り、もうコピーはやらないと決めたのである。そして、たった2週間で、初期のカムズ・タイプの完全にハードコア・パンクと呼べる曲を2曲、シンプルかつストレートなハード・パンク的な曲、フリクションの様な痙攣リズムのひねくれた曲、スターリンの「溺愛」の様なスローな曲等、時に煮詰まりながらも、新曲を計7曲完成させた。歌詞は厭世的なものが多く、今思えば、午前四時の影響大であった。しかしながら、曲調が割と幅広い所以は、スターリンやハードコア以外にも、フリクションやミラーズを始め、当時の自主制作盤各種の多くを、分け隔てなく耳にしていたせいであろうか。

そして、2月27日「無名人コンサート」@QUEST。

この日の共演は、確か、ザ・ルーディーズと、チルドレン・シティ・ロッカーズであった。ザ・ルーディーズは、元カリスマのヴォーカリストによるザ・モッズ・タイプのバンドであり、ザ・クラッシュ・フォロワー系にありがちな、真面目っぽさや説教臭さがあり、筆者は苦手であった。チルドレン~は、額のやけに広い短髪の痩せたヴォーカリストが印象的で、アナーキーっぽいサウンドだったのだと思う。また、初めて全曲オリジナルで臨んだ筆者のバンドは、共演の彼らにも好評であったが、特に、いつもは雰黙で、筆者にとっても、少々物分りの良い喫茶店兼ライヴハウスの経営者程度にしか印象のなかったQUESTのマスターが、えらく気に入ってくれ、ライヴ終了直後に、激励の握手を求めに来た事は、今でも忘れられない。大人嫌いの年頃の筆者ではあったが、年上の人に誉められると言うのが、何だか嬉しかったのだろうか。ちなみに、同氏は、ただのオッサンでは無く、実は、広島の演劇界の大物である事を知るのは、ずっと後の話である・・・。

そして、2月に性懲りも無く応募した「木定がんばるコンサート」の、確か、落選者を集めて行うライヴが、WOODY STREETで開催される事となり、当然の如く落選した筆者らも出演する事となった。また、ナカガワが日大に合格した事もあり、これが筆者のバンドの解散ライヴとなる訳であるが、この日の共演バンドの一つに、“彼ら”が居た。

(つづく)

以下は、「広島ROCKERS 1stバレンタインGIG」の、チケット&フライヤー。

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