Mr.エレクトの独り言 「音楽業界改革論」⑤
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Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

「音楽業界改革論」⑤

インディーズ・ブームだ、バンド・ブームだと色々あり、誰もが音楽を演り、ステージに立つ事が容易となった現代は、幸せな時代なのかも知れない。しかし、本来の意味での“音楽の繁栄”とは、ミュージシャン同士が、“音楽的に”切磋琢磨して行ける状態であり、そうする事によって、全体のレベルが上がって行く事こそが、演る側にとっても、リスナーにとっても、本当の意味でプラスになるはずなのである。

また、観客の総数は増えないのに、ライヴハウスも出演者も飽和状態の現在。お金を出しさえすれば、誰でもステージに立てるし、逆に言えば、金が無ければ音楽活動を続けられなくなる。ゆえに、ミュージシャンは、音楽以外の仕事に時間を割くか、あるいは、自分が本当にやりたい事や、楽曲や演奏の質を向上させる事よりも、客をより多く集めるため、流行の音楽を追いかけたり、営業活動にやっきになり、そうする事こそが、出世の早道となっているのだ。

こんな、本質と外れた努力ばかりを必要とするシーンで、ミュージシャンが、自分にとって本当に納得の行くものを作り出そうとする事が、容易では無い事は、想像に難くないであろう。

とは言え、確かに、過去や現在流行しているものをなぞっているだけの、どうでも良い音楽は多いし、いい加減なバンドが、どんどん淘汰されて行くのは、一向に差し支えないのだが、真に創造的な活動をしているアーティストまでが、“集金力”の無さゆえに、活動停止を余儀なくされるのは、非常に面白くない現実である。

何と言うのだろうか。もっと、本質的な部分での競争と言うか、質の向上が、音楽活動の継続や拡大に、ダイレクトに結びつく様な世の中と言うか、“集金力”以外に価値を見出す環境が、音楽を取り巻くシステムに無ければ、こんな状況は、いつまでも続くだろう。

もちろん、ミュージシャン自身が、努力を怠ってはいけない。が、しかし、何か新しいものを創るとか、独自の価値観を提示しようとする、未だ資本主義の神様に見初められていない表現者にとって、音楽活動と集金活動を両立せよと言うのは、酷な話である。

そして、お客様。すなわち、受動的な消費者体質の傍観者には、何を言っても無駄であるし、自分のお金で何を買おうが、それはそれで自由なのであるが、何と言うのか、自分で探す楽しみ(それを“努力”とは言わないが)ってやつが、もっとあっても良いのではなかろうか。多額の宣伝費を投ぢたものや、知名度の高いもの、多くの人が好んでいるとされる流行のものばかりに行列を作りやがって・・・。

そう考えると、そもそも、この悪循環を生み出しているのは、大手レコード会社やライヴハウスに代表される、表現者と観客とを結ぶ役割を“生業”とする者達であると言う事が、自ずと理解出来るだろう。諸悪の根元は、ミュージシャンやリスナーよりも、むしろ、ここにある。

(つづく)