闇討ち、あだ討ち、暗殺者の夜。ボクは、いつも通りの儀式を終えると、この日は何故か、夜が明けぬうちに眠りに落ちた。ここの所、根をつめてパソコンに向かいっ放しだったから、流石に少し、疲れがたまっていたのだろうか・・・。
翌朝。ボクは、爆弾が破裂するかの様な大きな音に、目を覚まされた。
バギグッ!!ドゴガガァ!!!!!
「うわあ!!何だ何だ!?」
ボクは一瞬、自分の身に何が起こったのかを、知る事すらままならなかった。
ふと目をやると、部屋のドアがぶち壊されており、ボクは、何者かに首根っこをつかまれたまま、部屋から引きずりだされ、階段を引っ張り降ろされている自分に気が付いた。
「なんだよ~!!何するんだ!!痛い!!痛いってば~!!」
すると、ボクを掴み上げている何者かが、こう叫んだ。
「うるせ~!!黙ってこっちに来いってんだ!!」
そしてボクは、1階の居間の床に放り出され、うつ伏せにさせられ、その何者かは、ボクの背中に馬乗りになっていた。
「何だよいきなり!!お前は誰なんだ!?」
顔を上げると、居間には、パパとママの姿があった。
「あっ!!ママ!!帰って来てくれたの!?」
「帰ってきたの?ぢゃねえ、このヤロー!!ママさんが出て行かなくちゃならなかったのは、誰のせいだか解ってんのか!!」
そう言うと、背中のソイツは、ボクの頭を思いっきり小突いた。
「痛~い!!どう言う事?ねえ、パパ!!ママ!!」
「うるせえ!!このくそガキャ~!!困った時だけ、パパさんやママさんに泣きつくんぢゃねえ!!」
「ああ!!その声、その口調、まさか!!お前は!?」
ボクは、この時、背中のソイツ、すなわち、突然の破局の首謀者が誰なのかと言う事に、遅まきながら気がついた。
「お前は・・・。もしかして、お前は!!・・・。」
(つづく)