Mr.エレクトの独り言 ハニカム

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

ハニカム

先日、私の友人達に評判の良い、ハニカムと言うバンドのライヴを観る事が出来た。そこで、私なりの感想をば・・・。

ハニカムとは、ブレーキの壊れた自転車に乗って、坂道を下って行く様なバンドである。

彼らの音楽性を簡単に説明するならば、基本的には、超ラフなガレージ・パンクに、ちんどん屋テイストを加味したものであるが、中には、様々なジャンルの音楽の要素を加えた演劇的構成の曲もあり、持ち札の多さも窺える。聞くと、ライヴ毎に何かしらテーマを決めて演っている様だ。また、現在はベース募集中との事で、この日のライヴ演奏は、ベース・レスによる偏った音色と、矢継ぎ早に繰り出されるショートな楽曲群が、オシリペンペンズなどを連想させるものであったが、後にベーシスト在籍時の音源を聴いた所、なかなかにハード・ドライヴィングなサウンドであった。

それでは、メンバー紹介。

ギターの龍一氏の創る曲は、直感や発想をダイレクトに反映させた、非常に直裁的なもので、それゆえ虚飾や脚色の少ない直情的な作風となっており、金属を擦り合わせる様なヒリヒリしたギターの音色と相まって、ある種、何かを創り出すと言うよりは、むしろ破壊する感覚に近いものを、私は感ぢる。

ドラムの渉氏は、バンドを支えリズムをキープするのでは無く、煽ると言うか、あるスタイルの楽曲に適したテンポと言うものを無視した、生き急ぐ感覚に溢れており、つまずいた勢いで前のめりに破滅の坂を転がり落ちるかの如き加速感が、聴き手の感覚を必要以上に高揚させる役割を果たしている。

そして、戸川純を彷彿させる、女性ヴォーカリストのセシル嬢。その壊れっぷりと、演劇的な要素をも含んだ、徹底的に声色を使い分ける能力は、男性の保護本能をくすぐり、同時に、聴衆が真実とフィクションとの境界線を見極めんとする真っ当な行為すら、愚の骨頂であるとあざ笑うかの様な、狂った独裁者の如き危うさがあり、それこそが、彼女の最大の魅力であろうか。

自ら進んで、ブレーキの壊れた自転車に乗りたがる者など居ない。だがしかし、もし仮に、それでもブレーキの壊れた自転車に乗る人間が居るとするならば、それは、“ブレーキの壊れた自転車に乗ると言う事がもたらすリスクを知らない者”か、あるいは、そのリスクを踏まえた上で、なおかつ、“ブレーキの壊れた自転車に乗ると言う事のスリルを楽しむ事の出来る人間”である。

あなたが後者であれば、間違いなく、ハニカムを好きになるであろう。

ただし、ハニカムを好きになると言う事は、ブレーキの壊れた自転車で坂道を下ると言う事であるからして、その後のあなたの人生がどうなろうと、一切、保障など無い。

よって、「それでも結構!!」「望むところだ!!」と言う方にのみ、私はハニカムをお薦めするものである。

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