Mr.エレクトの独り言 禁未来小説「ドラへもん」その45「仮面の家族」の巻

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

禁未来小説「ドラへもん」その45「仮面の家族」の巻

その日の夕方。

家族三人、水入らずの夕食の時間。

あんな出来事があったからって、パパ、ママ、そしてボクとの間に、会話が無い訳ではなかった。「新しい学校はどうだ?」とか、テレビのニュースに対しての意見だとか、何かの不安を隠すかの様に、パパは饒舌だ。そして、ママはそれに相槌を打ち、ボクは差し障りの無い返答をする。

ウフフ・・・。これぞ、一家団欒。まさしく、憩いの一時とでも呼ぶのだろうか・・・。

もしも、窓の外から、ボクたち家族の食事風景を覗いたら、さぞ、幸せそうな家庭に見える事だろう。

ウフフ・・・。ウフフフフ・・・。

とは言え、あちらサンはどうだかは知らないが、既に、パパとボクの間には、こころの交流など皆無だった。

ただ、ママに対しては、申し訳無いと言う気持ちと、もう一度甘えたいと言う本音が、ボクのこころの中には未整理のまま、渦を巻いていた。

だけど・・・。そう、ママは、あの日以来、一度もボクの目を見て話をしないのだ。

ボクのママは、あのやさしいママは、既に死んでしまった・・・否、ボクが殺してしまったんだろうか・・・。

いや、違う!!ボクぢゃない!!ボクのせいぢゃない!!ボクは悪くない!!

みんなパパの、そして、パパの連れた来たドラへもんのせいだ!!

ボクは、ママの愛情を失ったショックを隠すために、パパを憎む事で、自分の不安定なこころを、何とか抑えつけていた。

ボクたちは、もはや、形だけの家族であり、互いにこころを閉ざしあったまま、ただただ、仮面の家族を演ぢているに過ぎなかった・・・。

(つづく)