Mr.エレクトの独り言 禁未来小説「ドラへもん」その50「ピノキオの独り言」の巻

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

禁未来小説「ドラへもん」その50「ピノキオの独り言」の巻

爽木が言う。

「のひ太~。お前はホントにだらしがないのう。隣のクラスの不具多を見いや(見ろ)。あいつは倒れるまで頑張っちょったで。お前も、もうちょっと根性つけにゃあのう。」

フン!!何だってんだ!!二言目には根性だの何だのと精神論ばっかぶちやがって。自分はたまたま健康で運動神経の発達した身体に生まれたから解んないだろうけど、やりたくても出来ない・・・て言うか、努力だとか根性だとか言うものが、頭の中のどの神経を、身体のどの部分を、こころのどの辺りに力を入れれば発揮されるのかって事自体が、さっぱり解らない人間も居るんだ。それをただただ耳障りの良い言葉でいくら訴えかけた所で、馬の耳に念仏って言うか、豚に真珠ならぬ不具に説教に過ぎないんだよ。

あ~あ、だけど、コイツ(不具多)みたいには絶対なりたくないな~。下らない忠誠心なんてさっさと捨てて、リタイヤしてしまえば良いのに、倒れるまで踏ん張ってるなんて、単なるマヌケぢゃないか。

そりゃボクだって、あんな惨めな姿を全校生徒に晒す事が、全然恥ずかしくないのかって問われれば、もちろんイヤに決まってるけどさ・・・。

それにしても、今度の学校では、絶対に今までみたいな失敗は繰り返さないぞ。

それは・・・。そう、イジメだ。ショック団のシャイアンやスネトみたいな下劣な奴は居ないとは言え、実際、フグタのやつは苛められているって言う噂だし、朝礼であんな醜態を晒してしまったからな~。今度はいつ、ボクが標的にされるか解ったもんぢゃないよ。

しかし、爽木の野郎、口を開けば「こんな事ぢゃあ、世の中に出てもやっていけないぞ」だの、「立派な人間になれないぞ」だのと、ウザイったらありゃしない。

あんな非人間的な扱いに屈服させられ、理不尽な抑圧を耐え抜いた者だけが、あるいは、努力を積み重ねた末に、一方的な要求水準や、ある一定の基準値に到達した者だけが、初めて人間として認められる世の中なんて、こっちから願い下げだ!!

だいたい、そんな考え方してたんぢゃあ、立派なロボットにこそなれるかも知れないけど、いつまで経っても人間になんかなれっこないよ!!

(つづく)