考えてみれば・・・。
体重こそ、ある程度は努力で増減出来るとしても、身長を伸ばしたり縮めたりするには限度がある訳で・・・。
そもそもが、既に質量の時点で明らかに異なる別々の人間に対して、同様の価値観や生き方を当てはめようなんて事自体、無理な話なのだ。
ましてや、生まれた時期や土地、家系、育った環境、その他もろもろ、持って生まれた資質から、その後の成長や屈折の度合い、すべてにおいて全く同様の人間なんて、この世には存在しないのだから、もう誰が何と言おうと、複数の人間を、ある特定の価値観で縛る事など出来っこないのである。
私たちが、その位置や地位、力関係において妥協せざるを得ないのは、所有し得る土地や資源に限りがあるからに他ならない。
そして、その限りある土地や資源を奪い合い、独り占めにした者だけが、この世の王となり、所有している財産のひとかけらと引き換えに、自分に都合の良いルールを人々に押し付ける事が出来るのである。
だが、命・・・。そう、どんな王も、死だけは避けられぬ宿命(さだめ)。
とは言え、人が生きる上で最も重要なのは、生きた年数、すなわち時間の量ではない。
その密度、濃度、充実度、満足度でこそ、推し量られるべきなのだ。
そう考えてみれば、何をする事が、そして、どうやって生きるのが自分にとって最適なのか?と言う事も見えてくる。
だから、考えるのだ・・・。
本当に、それで良いのか?
本当に、これで良いのか?
本当に、このままで良いのか?
・・・と言う事を。