Mr.エレクトの独り言 禁未来小説「ドラへもん」その51「立派な人間」の巻

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

禁未来小説「ドラへもん」その51「立派な人間」の巻

その日の授業中。ボクは教師の口から発せられる、退屈極まりない雑音に耳を塞ぎ、ある事をずっと考えていた。

校長黒原、そして担任爽木が、口を揃えて言う、あの呪文。

「立派な人間になれ」・・・。

安月給の爽木はどうだか知らないけど、噂によると黒原は、この辺りの土地を広範囲に渡って所有する地主で、高い塀に囲まれた要塞の如き大御殿に住んでいると言う。更には、校長である黒原始め、代議士やらなんやらと、親族らの殆どが社会的地位の高い職種に就いており、歴史も名もある由緒正しい家系らしい。

立派・・・か。

見てくれ(体裁)は確かに立派だよな~。

だけど、ボクは違うと思う。

本当に立派な人間なら、貧しい人に私有地を開放したり、困っている人を助けるために私財を投げ打つはずだから、絶対にそんな豪邸に住んでる訳無いし、高級なスーツなんか着てるはず無いんだ。

そんなもの、“リッパ”ぢゃなくて“リッチ”の間違いだろ!!

しかも、その豪邸や広い庭、贅沢な暮らしを維持するためにのみ更にお金をつぎ込む訳だし、多少は世のため人のためを装って社会に貢献する事こそあれ、そんなのただのカモフラージュで、結局は、単に自分を幸せにするために、そして自分の家系を繁栄させてるだけの事ぢゃないか。

ホント、まるで王国だよね・・・。

で、小学生のボク達は、将来、その王国に仕えるために訓練させられている兵隊の予備軍だってか!?

冗談ぢゃない!!ふざけるのもいい加減にしろ!!

だからボクは、今後一切、誰のためにも生きるつもりは無いよ!!

立派な人間になんかなれなくったって構わない!!

ボクはボクの為に・・・。

ボクはボクの為にだけ生きるんだ!!

(つづく)