Mr.エレクトの独り言 禁未来小説「ドラへもん」その54「恋の妄執」の巻

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

禁未来小説「ドラへもん」その54「恋の妄執」の巻

ああ、シズコちゃん・・・。

そう。あの日から、ボクの頭の中はシズコちゃんの事でいっぱいになってしまった。

来る日も来る日も、学校に居ようが家に居ようが、シズコちゃんの事を考えれば考えるほど、思い出せば思い出すほど、思慕の念は増幅されていくのだ・・・。

そして、それはあたかも、失われた若さを取り戻そうとやっきになり、自分を見失ってしまった、目が見えぬ老人の愚かな妄執の如し・・・。

ああ、胸が苦しくて張り裂けてしまいそうだ!!これが・・・、これが、恋と言うやつなのか・・・。

だけど、本来は内気な性格のこのボク。結局、シズコちゃんとは一度も会話をする事なく、5年生に進級する事となった。

担任爽木とも、これでおさらば。思えば、あいつの一言が、このボクを恋慕の地獄に突き落としたのだから、仕返しもせずに縁が切れるのは残念だが、今のボクには、あんな奴の事など、もはや、どうでも良かった。

春・・・。進級、そしてクラス替えの季節。運命の女神はボクに味方した。何と、5年生になっても、シズコちゃんと同ぢクラスになれたのだ。

更に、あの男。そう、不具多吐露男こと、トロオとも・・・。

その時、ボクに微笑んだのは、運命の女神などではなく、死神であったと言う事を思い知るのは、その年の、暑い夏の日の事だった・・・。

(つづく)