Mr.エレクトの独り言 「ぐしゃ人間/オマエノロイ」「バビロンズ/緋色の憎悪」(追記アリ)

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

「ぐしゃ人間/オマエノロイ」「バビロンズ/緋色の憎悪」(追記アリ)

■ぐしゃ人間「オマエノロイ」(CD-R)¥500
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①「ノロイ」
異世界から異世界へと慌しい旅を続ける「不思議の国のアリス」の如く、ストレンジ~ハード~ポップにと曲調がめまぐるしく展開する、まるで幻覚症状か悪い夢でも見せられているかの様な本作の楽曲構成こそは、ぐしゃ人間の売りとなるべき重要な特色であり、彼女らの持つ稀有な魅力の一端を如実に物語っている。そしてまた、人類の立場から見れば残酷とも呼べる、動物や生き物等の生態を、寓話的解釈によって表現した秀逸な歌詞は、ロマンチシズム溢れる視点を持ちつつも、現実世界の過酷さから目を背ける事を許さぬ厳しさを兼ね備えており、幻想的でありながらも決して逃げ場を与えないと言う、その徹底した救いの無さは、痛々しいまでに辛辣だ。
②「オマエ」
出口のない迷宮に迷い込んでしまったかの、壊れたオルゴール風なストレンジな楽曲に、身も蓋もないまでに直接的かつ攻撃的な内容の歌詞が被さる作品。だが、それゆえに、「もの言わぬ少女 その涙を舐めてあげたい」との言葉が、断崖絶壁に咲く花の如く、凛として響く。そこには、現実逃避のお花畑にではなく、耳に痛い現実の下にしか、真のやさしさなど存在し得ないのだと言うメッセージが内包されている。
③「オマエ?」
「オマエ」の、歌詞及びミックス違い。こちらは、更にねぢ曲げられたサウンドに合わせ、歌詞にもいくぶん、シュールな表現が用いられている。しかしながら、この一見、メルヘンチックなストーリーには、致死を招くに充分な毒が、いたる所に散りばめられているのであった。

各々の曲名をつなぎ合わせた、「オマエノロイ」と言う意味深な作品タイトルからも察せられる通り、まるで、甘くて美味しそうなショート・ケーキに無数の針が混入されているかの如き、ぐしゃ人間の作品群。その、サディスティックとも呼べる作風は、時に残酷ですらある少女の内面世界を偽る事なくさらけ出した、ある種、非常に勇気の要る行為であり、それらは、この表面重視の世にあって、極めて有意義な努力の成果であると言えよう。

<追記>なお、本作より、遺伝子組替こども会の“裏”嬢が、ベーシストとして参加している。


■バビロンズ「緋色の憎悪」(CD-R)¥300
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①「拷問遊戯」②「ダミアン 教会へ行く」③「ソドムの復讐と服従の市」
今回より、ベースに元・ぐしゃ人間の、あやの嬢(改名→)常吉ダミ子嬢が参加しての初録音作品。基本的には前作の延長線上にある内容ではあるが、前作における、いくぶん繊細な音作りが、ヴォーカル&ギター担当、本バンドのリーダーである、コタ魔嬢の独特な声質や歌詞の内容を強烈にアピールせしめた作品であるとするならば、本作は、録音方法の違いも影響してはいるのだろうが、サウンド的にもロック・バンドとしてのパワーが増した感があり、ライヴ演奏においての迫力が伝わってくるかの、迫力ある仕上がりである。
また、②の「ダミアン 教会へ行く」は、他の作品とは異なり、コタ魔嬢の脳内世界と言うよりは、バビロンズと言うバンドのイメージを生かしたキャラクター・ソングとでも言うべき作風で、この窒息しそうなまでに壮絶な拷問歌集の中にあって、唯一、解放感を味わえる作品となっている。

なお、バビロンズは、本作にも参加のオリジナル・ドラマー、おかしのくにのあかね嬢の脱退を期に、バンド名を「マグダラ呪念」と変更して活動を続けて行く模様。個人的には、本メンバーでの最後のライヴにおいて、ラストに演奏された、その名も「冥土への階段」なる、怨念の般若心経とでも呼ぶのが相応しいかの長尺の楽曲が収録されると言う、本格的な初アルバムとなる次回作が、今から楽しみである。


★上記2作品は共に、当店及び各バンドのライヴ会場他にて、絶賛販売中!!

★以下、補足記事もご覧下サイませ。
「自己を偽らざる者」