Mr.エレクトの独り言 禁未来小説「ドラへもん」

Mr.エレクトの独り言

自主レーベル及び、日本人中古貴重盤ショップ、『エレクトレコード』オーナー、Mr.エレクトによる独舌日記!!

禁未来小説「ドラへもん」その111「残酷な結末」の巻

そしてついに・・・教壇の上に残されたのは、ボクことのひ太と、トロヲの二人だけとなった・・・。

しかも、最後の最後になって、またもやとんでもない事実が発覚したんだ。

女子生徒A「あれ!?ナチコ先生!!女子はもう残り一人デスよ!!」

ナチコ先生「あら?ホントね~!!そっか、男子と女子の数はどのクラスもぴったし同ぢって訳ぢゃないものね。先生、失敗しちゃったな~!!」

・・・バカな!!そんな、今頃になって!!・・・ぐぅ!!・・・しかし、その女生徒が言った事は本当で、確かに・・・改めて良く見ると、残った女子は既に一人しか居なかった。

・・・ところが!!この予期せぬトラブルが、ボクに勝機を与えてくれようとは!!

ホンの一瞬、そう本当にそのホンの一瞬、生徒全員の目が残り一名の女子生徒に向けられたその瞬間、ボクはトロヲの腕を掴み、グイと引き寄せるや、無言でこう命令した。

「場所を代れ!!」(←こころの声)・・・と。

すると、それまでうつむいていたトロヲは少しばかり驚いた様子だったけど、何が何やら解らぬうちに、ボクの立ち位置を入れ替われとの要求を言われるがままに受け入れたんだ。

やった!!これで間一髪救われた!!アハハハハ!!どうだ見たか!!物事は、やっぱ最後の最後まであきらめちゃ駄目って事さ!!

これで最下位・・・しかも誰からも相手にされず独りぼっちになってしまう最低最悪のケースだけは免れた!!

ウフフ・・・ボクはなんて頭が良いんだろう・・・。

そして最後の選択の儀式、案の定、残りの女子は顔も上げずにボクのそばに近づいて来る・・・。

ボクはその女子を睨み付け、またもやこころの中で、こう念ぢ続けた。

「良し良しイイぞ!!この残り物のクソ女め!!早くボクを選ぶんだ!!」・・・と。

・・・がしかし!!ここでまた、最悪のどんでん返しが起きた!!

ナチコの何気ない一言が、ボクにとってこんなに致命的な結果をもたらそうとは・・・。

ナチコ先生「あらあら、もっとしっかり男子の顔を見て、ちゃんと自分の好きな方を選ばなくちゃ駄目よ~!!」

その言葉を聞いて、残りの女子はハッと我に返ったかの様に、ボクの顔を見上げたんだ。

その時のボクの顔と来たら・・・おそらく、ものすごく恐ろしい形相だったに違いない。

だって、まるで憎しみをぶつけるかの様に、「ボクを選べ!!ボクを選べ!!」と、その子を睨み付けながら無言で訴え続けていたんだから・・・。

そして、そんなボクの鬼の様な顔を見て驚いてしまった彼女は、慌ててボクを避け、隣に居たトロヲの方を選んでしまったんだ!!

うぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ・・・!!

そんなバカな!!・・・こんな事って・・・。

しかも更に、教室に居た生徒の誰かしらから意味不明の拍手が沸き起こり、そのせいでボクのこころは抗いがたい羞恥と恥辱の念で埋め尽くされ、まるで頭の上から生暖かい糞をぶっかけられた様な気持ちにさせられたんだ・・・。

ナチコ先生「あらあら、それにしても、最後に男子が一人余っちゃうなんて、ナチコ困っちゃう~!!」

その言葉を聞いて、教室は爆笑に包まれた。

ふざけるな!!今頃になって困っちゃうも何もねえ!!

こんな惨めな・・・こんなみっともない姿を大勢の前にさらして・・・。

ああもう、ボクは今すぐここから消えてしまいたい!!

この屈辱・・・一生涯忘れないぞ!!

ぐぎぎぎぃ~!!ナチコめ~!!この怨み、どうしてくれようか!!

(つづく)

禁未来小説「ドラへもん」その110「公開処刑の落とし穴」の巻

ナチコ先生の提案により始まった、人気投票ならぬこの残酷な公開処刑も、いよいよクライマックス。

早々と自分好みの男子を選んだ女子は、教室の後方から席に着いて行き、選民作業に乗り遅れた女子は教室の左前方に、そして残された男子5名・・・すなわちボクやトロヲ達は、ナチコ先生の指示により、教壇の上に並ばされる事となった・・・。

ぐぐぐ・・・あの女・・・この期に及んで、どこまでボク達に辱めを与えるんだ・・・。

こんな事して・・・こんな事して、一体何になるってんだよ!!

・・・うんにゃ!!今はそんな事どうでも良い!!とにかく一刻も早く、ボク一人だけでも、この惨めでブザマな状況から抜け出さなくっちゃ!!

だから・・・。

早く!!

ボクを選べ!!

ボクを救え!!

ボクさえ・・・ボクさえ助かりゃそれで良いんだ!!

トロヲ初め、残り物のこいつらの事なんか知った事ぢゃない!!

早く!!・・・一秒でも早く、ボクはこの悲惨な状態から抜け出したい!!

・・・が、そんな祈りにも似た願いも虚しく、残り5人のうちの1人目は、教壇に向って一番左・・・つまり残りの女子に最も近い方の男子が選ばれた。

・・・ぐっ!!駄目か!!

そして残り4人から選ばれた男子も、やっぱり教壇の左端、残りの女子から最も近い距離に居た男子が選ばれて行った。

あっ!!そうか!!そうだったのか!!・・・どうして・・・ボクはどうして、こんな簡単な事に気がつかなかったんだ!!

そもそも、残りの女子は、残り物の男子を選んでなんかいない!!

考えてみれば・・・さっさと男子を選んで着席した積極的な女子とは全く対照的に、残りの女子は大人しくて自己主張もしない引っ込み思案な子達ばかり・・・。

だから、彼女達は男子を選ぶ以前に、その顔を見る事はおろか一瞥すらせず、ただただ事務処理的に自分に一番近い場所に居る男子に決めているだけだったんだ・・・。

そうか・・・そうだよな。

この悪趣味な選民プレイによって苦しめられてるのは、何もボクら残り物の男子だけぢゃないって事か・・・。

いやいや!!そんな心配してる余裕なんか、今のボクにはない!!

何故って!?・・・だって、ボクの立ち位置はその全く逆・・・つまり残された女子から最も遠い教壇の右端なんだから!!

何とか・・・何とか、このピンチを脱しなきゃ!!

・・・ところが、そうやって焦りまくるボクを尻目に、残り3人のうち1人が選ばれ、気が付けば教壇の上には、トロヲとボクの二人だけとなっていた・・・。

そして更に・・・この大事な土壇場において、思いもよらぬ事態が発覚したんだ・・・。

ウフフ・・・。

面白い。

これが運命ってやつか・・・。

ウフフフフ・・・。

アハハハハハハ・・・。

(つづく)

禁未来小説「ドラへもん」その109「肥溜めの希望」の巻

しかしまあ・・・。

ボクは自分を含めた残り物の男子5名の顔を見渡し、ため息をついた。

よくぞまあ、これだけパッとしないサエない奴らばかりを集めた・・・いや、残ったもんだ。

でも大丈夫!!いくらなんでも・・・。

いくらなんでも、こんな奴らよりはボクの方が少しはマシなはず!!

ボクがこんなショボイ奴らと一緒にされちゃたまんないよ!!

・・・て言うか、逆に言えば、ボクは途中転入組だから知名度が低いせいで運悪く売れ残りになってしまったけど、むしろ拾い物と言うかお買い得と言うか、残り物には福があるってもんさ!!

とにかく、現時点においても超最悪でバッドな状態だけど、せめて・・・せめて最下位だけは避けたい!!

ボクが・・・このボクが、こんな駄目な奴らの更に最下層だなんて、そんな事あっちゃいけないんだ!!

・・・と、ボクは何かにすがる様な気持ちで、地獄の渕に光明を、奈落の底に救いを、肥溜めに希望を、無理にでも見出そうとしていた。

いやだ・・・。

最後の一人なんて絶対に!!

・・・ウフフ。

でも大丈夫!!

何故かって!?

このクラスには、何たってこいつが居るからさ!!

そう!!そいつの名は、トロヲこと不具多吐露男!!

ボクがこいつ以下って事は、絶対にあり得ない!!

うんにゃ!!そんな事、絶対に許されないはず!!

絶対に!!

・・・おそらく。

・・・多分。

・・・きっと。

・・・だから。

・・・頼むよ!!

・・・お願いだから!!


・・・ところが、ボクの悲壮な祈りとは裏腹に、事態は予想だにしない方向に進展するのであった。

そうか・・・考えてみればそうだよな。

ウフフ・・・ウフフフフ・・・。

(つづく)


★「読むといやな気分になる」と評判の当連載。作者の私としては、これほどまでに笑えるギャグ小説はないと自負しているのでキュウが・・・。そこで、自分でも少し読み返してみた所・・・。確かに・・・とってもいや~な気分になりマシタ。(TT)

禁未来小説「ドラへもん」その108「悪趣味なゲーム」の巻

焦るボクの不安をよそに、新任女教師ナチコ先生による、とんでもない提案は実行に移された・・・。

生徒は皆、席を立たされ、男子は教室の右端、女子は教室の左端に集められ・・・。

ナチコ先生「さあ!!それぢゃ女子のみんな、自由に手を挙げて!!早くしないと好きな男子をライバルに取られちゃうわよ~!!」

すると、まずは目立つ事も厭わない積極的で快活な女子が数人手を挙げ、ナチコ先生に指名された女子から順に、好みの男子を自ら選び、好きな位置の席に座って行く事となる。

ここで順当に、まずはイケメン君初め、スポーツが得意な男子なり勉強の出来る優秀な男子生徒が選ばれて行く。

そうなると次は、あまり目立ちたくない普通の女子も、人気の男子がどんどん減って行く訳だから、序々に焦り始め、一人また一人と手を挙げる。

そして今度は、授業中ギャグを飛ばして皆を笑わせる事が好きないわゆる“面白い人”初め、まずまず人気のある男子が次々と選ばれて行き・・・。

残り半数以上は、必然的に大人しい女子や、普通の男子が残されて行く訳で・・・。

だけど今度は、その中でも数人の堅実派の女子が互いの顔色を伺いつつ、おずおずと手を挙げ、普通の男子の中でも割にまとも・・・と言うか清潔感があって無難な者が選ばれて行き・・・。

見渡せば、既に約80パーセントの女子が男子を選び席替えを済ませてしまった。

・・・となると、後に残されたのは自己主張する事を避ける子羊の様な超大人しい女子と、ストレートに言えば地味でパッとしない男子、もしくは嫌われ者・・・って事になり・・・。

それはまさしく、実社会における恋愛ヒエラルキーと言うか、弱者に厳しい現実を容赦なく突きつけるかの如き仕打ちな訳で・・・。

何で!?どうしてこんな、残り物の生徒につらく悲しい思いをさせる様な残酷な席替えを、こんな悪趣味なゲームを、この女教師はボクらにやらせるんだ!!

ところが、当のナチコ先生と来たら涼しい顔をして、こんな台詞を吐きやがった・・・。

ナチコ先生「あらあら、だから先生言ったでしょ?早い者勝ちよ!!・・・って。どんなにキレイ事並べたって、しょせんこの世は弱肉強食なんだから、女子のみんなもどんどん自己主張して、自分の力で幸せをゲットして行かなきゃ駄目よ~!!」

・・・畜生!!何言ってやがる!!こんな・・・こんな、まるで公開処刑みたいな真似をして、そんなもっともらしい事言ってんぢゃねえよ!!

しかし、そんなボクの胸の内の怒りが伝わる事などあるはずもなく、着々と席替えは続けられ・・・。

遂に、極度に大人しい恥ずかしがりやの女子も、ナチコ先生の言葉に背を押されたのか、一人・・・また一人と、意を決して残り物の中からでも何とか良さそうな男子を選んで席に着き・・・。

かくして、10人・・・9人・・・8人・・・と、言わば不人気男子を選別するためのカウント・ダウンは進行し・・・。

気がつけば、残った男子はボクを含め、わずか5人となっていた・・・。

(つづく)

禁未来小説「ドラへもん」その107「ナチコ先生の提案」の巻

この日の出来事を、ボクは一生忘れないだろう・・・。

そしてまた同時に、その瞬間、ナチコ先生こと新任の女教師夏子に対するボクの淡い恋心にも似た憧れや慕情も、あっけなく崩れ去ったのさ・・・。

ナチコ先生「さて、今日から私がこのクラスを受け持つ事になった訳だけど、やっぱこの機会に心機一転が必要かなって私は思ってるんだけど、みんなはどうかな?」

女子生徒A「え~!!ナチコ先生、それってどう言う事デスか~!!」

ナチコ先生「ウフフフ、そうねえ・・・。気分を一新するためにも、いっちょ席替えなんてどうかしら?」

男子生徒B「賛成!!オレ、この席いやだったんだよな~!!」

女子生徒C「え~!!私、今のままが良いな~!!」

教室内は、ナチコ先生が持ちかけた突然の提案にとまどいを隠せず、教室内はざわつき始めた・・・。

ナチコ先生「みんな静かに~!!と・こ・ろ・で・・・私が考えてる席替えは、ただの席替えぢゃないのよ。」

・・・と、ナチコ先生はそのハキハキとした口調で、とんでもない・・・そう、とんでもない提案をボク達生徒に持ちかけてきたんだ。

その提案とは・・・。

ナチコ先生「私が女性だからって事もあるけど、これからの時代は女性がもっともっと社会に進出して活躍出来る社会になると思うの。そう言う意味でも、今のうちから女子のみんなには、積極性と自立心を養ってもらいたいって思う訳。そこで・・・。」

・・・そこから先は、ボクの口から説明しよう。

ナチコ先生の提案ってのは、まず女子に自由に挙手させ、その先着順にその女子生徒自身が自分の隣に座らせたい男子を自ら選び、教室内の好きな座席を選んで行く・・・と言うものだった。

フフフ・・・。勘の良い人なら、すぐに察しただろ?

これが、どう言う結果をもたらすかって事を・・・。

すなわち、これって一見、女子生徒の積極性を尊重し自主性を伸ばすための提案・・・であるかの様に見せかけてはいるけど、その実態は選ばれる側の男性生徒の人気投票・・・ひいてはヒエラルキー(階級)を、しかも他の生徒みんなが見てる前で、まるで晒し者にするかの如く明確にしてしまうって事さ。

・・・否、本来の目的がそこにあるかどうかは別として、結果的にそうなってしまうって事は疑いようのない事実!!

しかも・・・ボクはこの学校へ途中編入した上に、出来るだけ目立たない様に存在を消して生活してるし、それより何より例のシズコちゃんとの一件から、おそらくこのクラス全員からは見下されている存在のはず・・・。

そんなボクにとっては、こんな席替え、恥晒しの見世物にされるだけで何の得にもなりゃしないぢゃないか!!

・・・ところが、クラスの連中、特に女子のやつらと来たら、既に男子を品定めするかの様にそわそわしながら教室中を見回してやがる。

そんな中、クラス中にふざけたり大声を出すお調子者の男子生徒が・・・。

男子生徒D「うひゃ~!!オレ、照れちゃうな~!!」

女子生徒E「馬鹿ね~!!誰もあんたなんか選ばないわよ!!」

ナチコ先生「ウフフフフ・・・。」


馬鹿な!!本当にやるつもりかよ!!

焦るボクの不安をよそに、事態は既に公然の決定事項として着々と進行しつつあった・・・。

そう、着々と・・・。

(つづく)
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